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基礎年金:結論先送り 国庫負担割合、首相が判断留保

 菅直人首相と野田佳彦財務相は3日、11年度予算の焦点となっている基礎年金の国庫負担を巡り、現行の50%負担を維持するかどうかについて首相官邸で協議を行った。野田財務相が、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の剰余金(1・5兆円)を活用することを前提に50%負担を維持することを提案したのに対し首相は判断を留保。調整を継続することになった。

 財務省は、基礎年金の50%を負担するために必要な年2・5兆円の財源について、「11年度は確保するのは難しい」として、08年度以前の負担率である36・5%に戻すことを厚生労働省に提案していた。だが厚労省は、「一時的であっても国庫負担が減れば年金財政への信頼が揺らぎかねない」と提案を拒否。民主党の政策調査会も、「国庫負担引き下げには法改正が必要だが、野党の同意が得られない」として50%負担継続を求める方針を決めるなど政府・与党から反発が起きていた。

 こうした反応を受け、財務省は3日、(1)鉄建機構の剰余金の大半である1・2兆円を国庫に返納し、基礎年金の財源に充てる(2)臨時の財源措置は11年度に限る--ことを前提に、50%負担を継続する方針に転換。同日夕に首相に了承を求めたが、首相は判断を先送りした。

 鉄建機構を所管する国土交通省は剰余金について、「JR3社の株式や旧国鉄の売却益が積み上がったもので、鉄道会社の支援に充てるのが筋」として、国庫に返納できるのは5000億円程度と主張。整備新幹線の整備を求める与野党議員や地方自治体も同剰余金の活用を求めている。年金財源への活用には自治体や族議員の強い反発も予想されるため基礎年金に関する首相の決定見送りはこれらの反応を見定めようとの思惑がありそうだ。

 一方財務省は、首相の了承を取り付けることで、国交省に剰余金の全額返納を迫る構えだったが、あてが外れた格好だ。機構の剰余金を活用しない場合には、「2・5兆円の財源確保は困難」としており、予算編成作業が一段と迷走する可能性がある。【坂井隆之】

毎日新聞 2010年12月4日 東京朝刊

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