ネチズン・カレッジ
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last updated: December 1,
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「戦争は一人、せいぜい少数の人間がボタン一つ押すことで一瞬にし
て起せる。平和は無数の人間の辛抱強い努力なしには建設できない。このことにこ
そ、平和の道徳的優越性がある」(丸山眞男 )
■平和情報リンク「IMAGINE!
イマジン」、■祈り・癒し系
♪IMAGINE GALLERY、■IMAGINE
DATABASE「戦争の記憶」(番外「大正生れの歌・探索記」「100人の地球村 」)、■「護憲・活憲・知憲・論憲・加憲・創憲
・改憲」、■学術論文データベ
ースに
宮内広利「移動する『疑い』の場所ーー柄谷行人『世界史の構造』を読んで」アップ、■「崎村茂樹の6つの謎 」の中間報告、■「
CIA:緒方竹虎を通じ政治工作 50年代の米公文書分析」「CIA緒方ファイル分析」、■
「戦後米国の情報戦と60年安保ーーウィロビーから岸信介まで」
情報の海におぼれず、情報の森から離れず、批判的知性のネットワ
ークを!
北朝鮮の暴発で東アジア情勢緊迫!
そこに乗じて戦後日本の「平和原則」見直しの動きが…
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2010.12.1
北朝鮮による韓国延坪島(ヨンピョンド)砲撃は、民間人二人の死者を出し、東アジアの国際環境を一気に緊迫させました。朝鮮総連に近い朝鮮新報には、「ことの発端は北の領海に対する南の砲撃だ。南側は自分の領海だと主張するが、米国が設定した海の軍事境界線を認めていない北側からすれば、砲撃は停戦協定違反であり、事実上の戦争行為だ。今回、北側は警告に止まらず軍事的対応をとった」と北の立場が説明されていますが、かつての朝鮮戦争勃発時と似た、北の軍事的挑発による戦争の危機です。中国の新華社電が、11月23日勃発当初韓国側報道で速報しながら、やがて「論議のある『
北方限界線(NLL)』付近で交戦」となり、さらには「韓国側が先に発砲」と報じる記事まででてきたこと、他方で韓国3大新聞の論調が中国をも批判し軍事的強硬策を政府に求める一触即発の雰囲気なのも気になります。「終戦」ではない「休戦」だったことの意味が、一気に現実に見えてきました。
直前のウラン濃縮施設公開を含む、米朝直接交渉を求める北朝鮮の「瀬戸際外交」説、3世代指導者世襲のための「国内向けデモンストレーション」説、中国に保護・後見を迫る「米中対立」誘導説など、それなりの説得力はありますが、いずれにせよ今日の国際関係から逸脱した非合理的行動で、パワーポリティクスからも社会主義からも弁証できない、北朝鮮国家の特異性を示しています。これ以上の軍事的暴発は、なんとしても避けなければなりません。中国政府のいう「6カ国協議の首席代表会合」は、さしあたりの時間稼ぎになるでしょう。ある意味で軍事戦以上に衝撃的なのは、WikiLeaksで突如公開された、各国外交の裏での北朝鮮問題への各種発言。中国政府高官が「朝鮮は韓国の管理下で統一されるべき」と述べたり、韓国政府高官が「日本は朝鮮の分裂状態を望んでいる」と述べたり、国際政治のホンネがかいま見えて、出版物になった日本の「流出『公安テロ情報』全データ」と共に、現代情報戦のすさまじい実態を明るみに出しました。こうした情報戦の分析をふまえない外交や軍事は、21世紀の政治では無力でしょう。アイルランドの財政破綻、日本の沖縄県知事選の最中に、北朝鮮の軍事的示威、それを踏まえた黄海での米韓合同軍事演習が行われたことも、たんなる偶然の一致と言い切れないものがあります。何か大きな世界史の変動が、深部で作用しているのかもしれません。

こんなことを言うのは、一つは、日本経済評論社から新著、加藤哲郎・丹野清人編「21世紀への挑戦 7 民主主義・平和・地球政治」が発売されたから。そこで私は、『年報 日本現代史』第15号(現代史料出版)掲載、加藤
「戦後米国の情報戦と60年安保ーーウィロビーから岸信介まで」ウェブ版の「理論編」にあたる、序章「情報戦の時代とソフト・パワーの政治」を書いていて、その仮説にもとづきWikiLeaks時代の国際政治のあり方をどのように考えるか、再考を迫られているからです。いまひとつは、もともと10月3日放映のNHKスペシャル「"核"を求めた日本」で
スクープされた、1969年2月日本外務省と西独(当時)外務省との協議で、日本側が将来の核保有に言及し製造工程まで具体的に検討していたことを、外務省が放映後2か月足らずで公式に認め報告書が発表されたことです。というのは、非核3原則を定めた佐藤内閣時代の核兵器保有の検討自体は、1994年金日成晩年の朝鮮半島核危機のさい、朝日新聞1994年11月13日が「核開発可能だが持てぬ 佐藤内閣、68・70年に秘密研究報告書」というスクープがあり、「日本の核政策に関する基礎的研究」という内閣調査室の報告書の内容も報道されましたが、日本政府は一貫してその文書の開示を拒否してきました。ところが今回は、テレビで村田良平元外務次官が遺言風に証言し、当時の西独側エゴン・バール氏もそれを認めた、という映像証言の迫力があり、民主党内閣への政権交代で外務大臣の「政治主導」で直ちに事実調査が行われ報告書が公表されたという側面はありますが、どうも、この間の沖縄等への「核持ち込み密約」の際の元外務省高官による証言と同じように、現実の北朝鮮核危機のもとで過去の既成事実を追認し、むしろ「非核3原則法制化」より「非核3原則見直し」への国民意識醸成を図っているようにも見えるのです。
その傍証が、民主党の北沢防衛大臣のもとで「政治が風穴を開けていかなければならない」というかけ声で進められている「武器輸出三原則の見直し」です。つまり、経済危機・貧困化の閉塞、東アジアの情勢緊迫と民主党の国家戦略欠如・支持率暴落のもとで、自民党政権時代にさえできなかった安全保障政策の基本的転換が「政治主導」の名の下に始まっているのではないかという疑念が、払拭できないのです。沖縄県知事選の結果が、それに拍車をかけなければいいがと懸念されます。本サイト英語版・日本語版でここ数年探求している「崎村茂樹の6つの謎
」について、ドイツの日独関係研究者から、久方ぶりの、しかし重要な情報提供がありました。1943−44年の在独日本大使館員崎村茂樹のスウェーデン亡命、連合国との接触について、なんとナチス宣伝相ゲッペルスの日記に記述があるというのです。44年5月のゲッペルス日記を調べてみたら、その通りでした。詳しくは次回以降に紹介しますが、この間の世界と日本の情報戦にも、どうもどこかの国に、個人とは限りませんが「現代のゲッペルス」が隠れていて、君臨しているような気がします。「物言えば唇寒し秋の風」とは、いつの時代の、どの国のことだったのでしょうか。
8月に掲げた戦争に関連した尋ね人<南洋パラオから引き揚げた大垣出身「島原なみ」さん、その娘「福原南生子」さんの消息をご存じの方は、ご一報を!>には、残念ながら情報提供はありませんでした。「2010年の尋ね人」ページで、引き続き情報提供を求めます。一橋大学退職期に執筆し編纂した書物が、次々に刊行されています。日本経済評論社からは、「政治を問い直す」シリーズ2部作、加藤哲郎、小野一、田中ひかる、堀江孝司編著
『国民国家の境界』と加藤哲郎・今井晋哉・神山伸弘編
『差異のデモクラシー』、私は後者に「政治の境界と亡命の政治」を寄稿しています。社会評論社からは、故栗木安延教授の追悼で編んだ合澤清・加藤哲郎・日山紀彦編
『危機の時代を観る』、私は「格差と貧困の情報戦」を寄稿。そして『年報 日本現代史』第15号(現代史料出版)には、加藤
「戦後米国の情報戦と60年安保ーーウィロビーから岸信介まで」が、また『葦牙』第36号(2010年7月)に
「アメリカニズムと情報戦」、『情況』2010年8・9月、10月号に、私も加わった大型座談会
菅孝行・加藤哲郎・太田昌国・由井格「鼎談 佐野碩ーー一左翼演劇人の軌跡と遺訓(上)(下)」が掲載されています。
4月末にロシア大使館で行った講演
「ゾルゲ事件の3つの物語ーー日本、米国、旧ソ連」の記録は、日露歴史研究センター『ゾルゲ事件関係外国語文献翻訳集』第26号(2010年6月)に発表されました。
「ゾルゲ事件の新資料ーー米国陸軍情報部(MIS)『木元伝一ファイル』から」(日露歴史研究センター『ゾルゲ事件外国語文献翻訳集』第25号、2010年3月)の続編=総括編です。入手しにくい雑誌なので、原稿のpdfファイルをアップ。図書館「学術論文データベ
ース」には、甘田幸弘「唯物史観反証理論」(2010.6)、宮内広利「死の権力と権力の死」(2010.9)に続いて、このコーナーの常連
宮内広利さんの「移動する『疑い』の場所ーー柄谷行人『世界史の構造』を読んで」(2010.10)がアップされています。図書館に、『週刊 読書人』5月28日号掲載、
西川正雄『歴史学の醍醐味』(日本経済評論社)の書評をアップ。昨年メキシコ滞在以後に発表されたまま当カレッジには収録していなかった2本の論文、「戦後日本の政治意識と価値意識」、渡辺雅男編『中国の格差、日本の格差』(彩流社、2009年11月)及び「日本近代化過程におけるマルクス主義と社会主義運動の遺産」(『Forum
Opinion』No.7, 2009年12月)がアップされています。『初期社会主義研究』第21号(2009年3月)に発表された、山内昭人さんほか初期コミンテルンと東アジア研究会編『初期コミンテルンと東アジア』(不二出版)の長文書評も、図書館収録を忘れていましたのでアップ。4月1日から早稲田大学大学院政治学研究科客員教授になりましたが、10月1日開講秋学期「政治宣伝論」講義・ゼミ関係は、早稲田大学ホームページからアクセス願います。

本学には、以下のようなセクションがあります。学びを志す方は、
どちらのドアからでも、ご自由にお入り下さい。

情報処理センター(リンク集「
政治学が楽しくなるインターネット宇宙の流し方」のべ700サイトとリンク!)
情報収集センター
(本学の目玉で「現代史の謎解き」「国際歴史探偵」の宝庫、データベース「旧ソ
連日本人粛清犠牲者・候補者一覧」「在独日本人反帝グループ関係者名簿 」「旧ソ連秘密資料センター」などが入っています!)
■イマジンIMAGINE!(新年更新)、■Global
IMAGINE、■IMAGINE
GALLERY、■「戦争の記憶」 (番外「大正生れの歌 」「100人の地球村 」)
特別研究室「2010年の尋ね人」
――「南洋パラオから引き揚げた大垣出身「島原なみ」さん、その娘「福原南生子」さんの消息」「日独同盟に風穴をあけた日本人
<崎村茂樹>」「上海におけるゾルゲ、尾崎秀実の周辺」についての情報をお寄せ下さい!
情報学研究室(必修カリキュラム、 リンク集処理センターと歴史探偵収集センターが両輪です)
政治学研究室(総合カリキュラム、2008/2005一橋大学学生意識調査結果、永久保存版論文・エッセイ多数収録)
現代史研究室(総合カリキュラム、日本現代史、旧ソ連秘密資料解読もあります)
国際交流センター
(Global Netizen
College
only
in English)
加藤哲郎研究室(学長兼事務員の自己紹介、
当研究室刊行物一覧、エッセイ等)
客員教授ボブ・ジェソップ研究室 (イギリスの国家論者Bob
Jessopの Homepageと直結、最新論文をダウンロードできます)
★客員名誉教授故ロブ・スティーヴン研究
室(オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学、「日本
=ポスト・フォード主義国際論争」の私の共著者、2001年4月18日永眠。遺稿"Competing
Capitalisms and Contrasting Crises: Japanese and
Anglo-Capitalism")
図書館
(学術論文データベ
ース、書評の部屋、エッセイ集、一橋大学加藤ゼミ学士論文、ネチズンカレッジ創設記・カレッジ日誌 (過去ログ)、「ベルリン便
り」「メキシコ便り」 「竹久
夢二探訪記」「2005年一橋大学学生意識
調査結果」もあります)

ちょっと嬉しく恥ずかしい話。WWW上の学術サイトを紹介するメール
マガジン"Academic
Resource Guide"第3号「Guide &
Review」で、本HPが学術研究に有用な「定番」サイトに選ばれました。ありがたく
また光栄なことで、今後も「定番」の名に恥じないよう、充実・更新に励みます。同
サイトは、学術研究HPの総合ガイドになっていますから、ぜひ一度お試しを!
「Yahoo
Japan」では「社会科学/政
治学」で注目
クールサイトに登録され、特別室「テル
コ・ビリチ探索記」が「今日のオススメ」に、「IMAGINE!
イマジン」が「今週のオススメ」に入りました。「LYCOS
JAPAN」では「政治
学・政治思想」のベストサイトにされていましたが、いつのまにか検索サイトごと「Infoseek」に買収され、「学び・政治思想
」でオススメ・マークを頂いたようです。『エコノミスト』では、
なぜか「イ
ンターネットで政治学」の「プロ」にされましたが、河合塾の「研究者インフォー
メーション 政治学」では「もっとも充実した政治学関係HP」、早稲田塾の「Good
Professor」では、「グローバ
ル・シチズンのための情報政治学を発信」という評価をいただきました。「日経新聞・I
Tニュース」では「学術
サイトとしては異常な?人気サイトのひとつ」として、「リクルート進学ネッ
ト」にも顔を出し、「インターネットで時空を超える大学教員」なんて紹介されました。朝日新聞社アエラ・ムック『マスコミに
入る』で、前勤務先一橋大学の私のゼミナールが、なぜか「マスコミに強い大学 」のゼミ単位東日本代表に選ばれ「堅実・純粋な感
性」を養う「社会への関心が高い『問題意識』の強い学生が集う」ゼミナール として紹介されました。「 ナレッジステーション 」には、「政治学
・おすすめ本」を寄せています。恥ずかしながら、ありがとうございました。



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学長 加 藤 哲 郎 Dr. Kato Tetsuro
