ニュース謎に包まれたWikiLeaksの運営 創設者は天才ハッカーWikiLeaksサイト創設者のアサーンジ氏は「完全な透明性」を掲げるが、同サイトの運営は皮肉にも謎のベールに包まれている。2010年12月01日 15時41分 更新
【ニューヨーク=松尾理也】告発サイト「ウィキリークス」が再び、25万件にも及ぶ米外交公電の一部を暴露した。同サイト創設者、ジュリアン・アサーンジ氏の口癖は「完全な透明性」。だが、同サイトの運営は皮肉にも謎のベールに包まれ、「透明」とはほど遠いのが実情だ。 米誌ニューヨーカーは今年6月、アサーンジ氏が当時設置していたアイスランドの拠点を訪問した記事を掲載した。それによると、ジャーナリストを名乗ったアサーンジ氏はレイキャビク市内の部屋を、「火山活動を記事にするため」と説明して借り上げたという。 同記事によると、ウィキリークスはアサーンジ氏のほか、フルタイムで働いているのは3人から5人で、ほかに数百人のボランティアが活動を支えている。中心メンバーの身元は厳重に秘匿され、内部でもイニシャルだけで呼ばれるという。 ウィキリークスは情報提供のために、発信源を保護するための仕組みを施した複数の窓口を設置している。中央サーバーは、プライバシーの保護が厳重なスウェーデンに置かれ、容易にアクセス記録をたどれないようになっているという。また、郵送など物理的な手段による情報提供も受け付けている。 運用資金の実態も、ウィキリークスの謎のひとつだ。昨年後半には一時サイトを停止。理由として「資金不足」を挙げたこともある。現在も受付窓口となるサイトを、「改修の実施」を理由に閉鎖したままにしている。 だが、世界を揺るがす機密情報暴露を連発したおかげで、今年初めから集まった寄付は100万ドル(8400万円)にも上るとされる。寄付の受付先として推奨されているのは、すでに故人となっているあるハッカーの業績を記念して設立されたドイツの財団だ。 巨額の損害賠償を請求される訴訟リスクも抱えるウィキリークスが、ビジネスとして成り立っていくとは考えにくい。 それよりも、複雑な家庭環境を経て、少年のころから天才ハッカーと呼ばれ、有罪判決を受けたこともあるアサーンジ氏の、「完全な透明性」をよしとするハッカー的な信念こそが、世界中で賛否両論を巻き起こしているウィキリークスの過激な活動を支える最大の原動力といってよさそうだ。 関連記事
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