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マックホーム株式会社 人事部のブログ

2台目に要注意!

2010-11-29 11:12:04 | 日記
「2台目の車に気をつけろ」というのは、ニーチェの言葉です。



「車に轢かれる危険が最も大きいのは、1台目の車をうまく
 よけた直後だ。
 同じように、仕事においても日常生活においても、問題や
 トラブルをうまく処理して安心から気をゆるめたときにこそ、
 次の危険が迫っている可能性が高い」

(ニーチェ著『人間的な。あまりに人間的な』より)


会社の業績には波があって当然なので、たまたま急回復した業績
が本当の実力なのかどうかはなかなか分かりにくいものです。


仕事が恒常的に入ってくるサイクルが仕事の仕組みとして見えて
くればいいのですが、そうではなくたまたま社長の人脈で何本か
仕事が来たり、人員削減による固定費の圧縮で利益が出ただけ
では、利益体質が定着したとは言えないわけですから、有頂天に
なってはいけないわけです。



先日、ある方からこんな相談をされました。



「そろそろ社員のやる気も限界なので、状況は厳しいが給料を
 上げてやりたい。どう思うか?」と。

こういう心理はよくわかるんですよね。痛いほどよくわかります。
しかし。
ここでくじけて利益体質もないのに給料を上げてはダメです。
それで最悪の事態になって、路頭に迷わせて社員とその家族を
悲しませることになります。
少しの我慢をさせることが忍びなくて、結局大きな悲しみを
味あわせる。これはまずいですよね。


その方に聞きますと、どうも自分の判断ではないようなんですね。
「幹部会で、ある幹部から“社員達はいい加減疲弊しています。
 やる気も限界に見えます。ここらで施策を打たないと持ち
 ませんよ”と意見があった」ということでした。


この場合は、その意見を取り上げて給料を上げる判断をするので
はなく、次のように動かなくてはいけないのでは?
と思うんです。



1:まずもってその幹部をすぐに解任すること。  

その意見は社員を思いやっているように装いながら、疲弊している
のもやる気をなくしているのも実はその幹部自身である可能性が高い。
幹部たるもの、そういう状況の社員に、今我慢しなくてはいけない
意味と、そういう状況を脱却する方策を示すか、はたまた一緒に
考えるように持って行く責任がある。
それを、しゃあしゃあと社員の意見の形を借りて弱音を吐き、
あろうことか昇給を具申するなどもってのほか。


2:再度経営の現状と、今後の復活のシナリオを社長自身の口から
  全員に説明をする。


3:その先の復活後に持っていきたい会社の理想像を共有する。

4:復活のシナリオを実現していく上で一人ひとりが何ができるのか
  を社員自身に考えさせる。


5: その後、社員一人ひとりの人心を、個別に、しかも直接フォローする。


話が脱線しましたが、少しくらい業績が上向いて来たからといって、
気を緩めてはいけません。

本格的に景気が回復したわけでもありませんし、社内が理想的な利益
体質になったわけでもありません。

社員の頑張りに報いる方法は昇給などの固定費ではなく、今は変動費
で一時的に報いながら、来るべき本格的な復活時に取っておくべきです。


なんていう、お話をしたんです。



皆さんは会社訪問や説明会の中で「給与」に関連する報酬体系の話を
よく耳にすると思います。

そこで注目するのは、“額面”や“報酬推移”ではなく、

【どのタイミングで報酬が変遷し、その背景にどのような
 評価体系があるのか】


ということに着目しなくてはいけません。
むしろ、この部分を「質問」してもいいくらいですね。



耳障りのいい話は誰でもできます。
いかに現状を等身大で話し、<未来>を語れるか。

ここに、仕事に対して正面から向き合っているか否かがでます。
学生だからといって、適当にはぐらかすような会社は将来同じ
ように社員にはぐらかす人事になりえるということです。

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