本当の歴史は多分勢力を持った王朝が武力で帝位を簒奪したという表現になるであろうから、現王朝にすればとんでもない濡れ衣であると、「稗史」として隅に追いやるほかはない。
国内において然りであるから、さらに見えにくい他国に関わる事象で状況を自国に都合良く作為することなどは朝飯前である。こうして、作為に作為を重ねて、権力維持を図ってきたのが歴代中国王朝の姿であり、その遺伝子は共産中国になっても受け継がれている。
尖閣諸島沖での漁船衝突問題もそうした流れの中の事案処理であり、特異とするには及ばない。日中中間線付近のガス田開発問題でも、協議して進めるとしている約束をいとも簡単に反故にして恬淡としている。
岡倉天心は『東洋の理想』で、「王朝の覆滅、韃靼騎兵の侵入、激昂した暴民の殺戮蹂躙――これらすべてのものが何回となく全土を襲い、中国には、その文献と廃墟のほかに、唐代帝王たちの栄華や、宋代社会の典雅を偲ぶべき何らの標識も残されてはいない」と記している。
毛沢東が行った「文化大革命」は死者数千万人を出し、知識人は地方に追放され、破壊以外の何物ももたらさなかった。天安門事件も自由を求めて立ち上がった市民を抹殺して、思想の締め付けを続けている。
憲法では言論・出版・集会・デモなどの自由が記述されているが、共産党の指導を受けるとなっており、法治国家は見せかけでしかない。
日本は真実の宝庫
天心は日本について「征服されたことのない民族の誇らかな自恃、膨張発展を犠牲として先祖伝来の観念と本能とを守った島国的孤立などが、日本を、アジアの思想と文化を託す真の貯蔵庫たらしめた」と言う。
日本と中国の対比をこれほど明確にしているものはない。中国には「破壊」の文献と廃墟しかないが、そうした破壊を逃れた諸々が日本に集積され、保管されているというのである。真実は日本に蔵されているというわけである。
事実、その証拠を我々は正倉院の宝物殿などにおいて確認することができる。
今日の中国は、破壊の文献しかないことを日本に逆適用している。すなわち、南京は自国民によって何回も破壊される歴史を繰り返してきた。
天心流に言うならば、破壊された文献と破壊された廃墟しかない南京なので、大虐殺の宣伝に見るように実行者のすり替えや写真の組み替えなどを行って、自国を正当化して人民にナショナリズムを植えつける以外にない。
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