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広電に移譲へ/呉市バス

2010年12月01日

 市営バスの民間移譲問題で、呉市は30日、広島電鉄(本社・広島市)を運行事業者に選び、市議会の公共交通問題対策特別委員会に報告した。年内にも基本協定を締結し、2012年4月1日から民営バスを走らせる方針。県内で唯一残る公営バスだが、1941(昭和16)年のバス事業開始以来、70年余りで撤退することになる。

 市交通局は今月初め、バス路線(移譲時点で17路線の見込み)を引き受ける民間事業者を公募。(1)民営化後2年間は原則、移譲時の路線や運行便数、運賃を維持(2)地域の利用者の利便性を向上させる最大限の努力をする――などを条件に、乗り合いバスの保有台数が市交通局(164台)と同等規模以上などの資格を満たす法人を対象にした。

 広島電鉄と中国ジェイアールバス(本社・広島市)が応募。市は2社の説明を聞いたうえ、学識経験者らで構成する選定委員会が運行の効率性や安全性、市交通局職員の再雇用の考え方などを審査した。審査基準9項目中、8項目で広島電鉄が上回り、「市交通局職員を正社員で再雇用する」「広電グループの観光部門と連携した観光客の誘致」などの点が評価された。

 呉市は07年に財政集中改革を宣言。08年度から5年計画で約384億円の収支不足解消に取り組む。市営バスは累積赤字が約25億円に上り、一般会計から約13億円を繰り入れるなど「破綻(は・たん)寸前」の状況だった。(中川正美)

 ■「責任重大だ」

 広島電鉄は408台の乗り合いバス車両を保有し、73のバス路線を展開する。岡本繁・バスカンパニープレジデントは30日、朝日新聞の取材に対し、「呉市民の足の維持が最大の課題。責任重大で、きちんと対応しなければならない」と気を引き締めた。呉市の試算では、今後毎年3%ずつ運賃収入が減っていく。「事業者と行政、地域住民が三位一体で議論し、路線維持や安全、安心の運行を確保する政策を組み立てていきたい」と語った。(村形勘樹)

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