呉市営バス民営化、広島電鉄に移譲へ

　呉市は約２５億円の累積赤字を抱え民営化を目指している市営バスの移譲先に、広島電鉄（広島市中区）を選んだことを明らかにした。今後、同社と協議を重ねて年内に基本協定を締結。市交通局が運行している全２０路線を移譲し、平成２４年４月１日からの運行開始を目指す。

　市は１１月初めに移譲先の事業者を公募。広島電鉄と中国ジェイアールバスが応募していた。有識者らによる選定委員会で、運行の実現性や経営の安定性、乗務員らの労働条件など９項目について総合的に評価。結果、職員を正社員として再雇用する提案や、グループ内の観光部門と連携した観光客の誘致といった計画案により、広島電鉄に決まったという。

　同社は、市や市交通局が所有する土地・建物の無料貸与や車両の無償譲渡、計４０台のバス購入補助金などを要望している。