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【政治部デスクの斜め書き】尖閣ビデオ流出で見えた「おかしな国・日本」 (3/5ページ)
このニュースのトピックス:政治部デスクの斜め書き
ビデオ映像はこれまでの中国側の主張がいかにウソと欺瞞に満ちたものだったかを白日の元にさらした。にもかかわらず、中国の崔天凱外務次官は「日本に誠意があるなら、困難を克服し、(日中関係の修復を)妨害しないよう最大限の努力をすべきだ」とビデオ流出を非難した。中国外務省は、日本側が中国漁船に嫌がらせ行為をしたために衝突が起きたと指摘し、「日本の行為自体が違法だ。いわゆるビデオ映像でこうした真相を変えることはできず、日本側の行為の違法性は隠せない」とする報道官談話を発表した。
誠意がなく、真相をねじ曲げているのはどちらかは言うまでもない。首相はビデオ映像を本物だと認めているから真相究明を指示したはずだ。それならば、映像を流出させた犯人を探すよりも前に、まず中国政府のまったく筋の通らないコメントに反論すべきではないのか。中国側の事件後の一連の言動と行動に謝罪を求めるべきではないか。
「冷静に対処する」とは、冷静に反論し、相手の間違いを正すことから始まる。そうしなければ、従軍慰安婦や南京大虐殺などの問題がそうだったように、ウソが一人歩きして既成事実化する。そして日中関係は永久に正常化することはない。
だが、首相にはそういう発想はないようだ。首相がそうならば、閣僚らの発言もどこかおかしい。