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滋賀・米原の排水槽殺人:交際男に懲役17年 無罪主張は「不合理」--大津地裁判決

 滋賀県米原市の雑排水槽で昨年6月、交際相手で会社員の小川典子さん(当時28歳)を殺害したとして殺人罪に問われた同市坂口、会社員、森田繁成被告(41)に対する判決公判が2日、大津地裁であり、坪井祐子裁判長は懲役17年(求刑・無期懲役)を言い渡した。坪井裁判長は「被告の供述は不自然・不合理で信用できない。弁護人の主張も抽象的で、(事実である)可能性は著しく低い」と述べた。被告は控訴する方針。

 物証が乏しく、被告は捜査段階から一貫して無罪を主張。裁判員裁判では過去最長の10日間の審理を行い、裁判員らは検察が積み重ねた状況証拠を基に有罪を認定した。

 検察は論告で、被告が小川さんとの不倫関係を暴露されるのを恐れて殺意を抱きかねない状況だったと指摘。犯行時間帯に被告と小川さんが会っていた▽殺害現場付近で被告の車に似た車が目撃された▽被告の車の助手席やブレーキドラムなどから小川さんの血が検出された▽犯行時間帯後、被告から小川さんへの電子メール送信が激減した--などの状況証拠を列挙し、「被告が犯人であることは明らか」としていた。

 弁護人は「2人の交際は順調で、殺害の動機はない」と説明。車の血痕は小川さんの鼻血などで、「犯行を裏付ける直接証拠はない」と反論し、無罪を主張していた。最終弁論では、足利事件や大 阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件の例を挙げ、「冤罪(えんざい)を生んではならない」と訴えた。

 先月4日の初公判から判決まで約1カ月。公判では被告人質問の一部が異例の非公開とされた。評議は5日間行われ、裁判員裁判の否認事件の平均評議時間約9時間20分=1~2日間(9月末まで、最高裁調べ)を大幅に上回った。【加藤明子】

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 ◇森田被告の起訴内容

 09年6月10日午後9時~11日午前1時ごろの間、米原市伊吹の雑排水槽付近で、小川さんの頭を鈍器のようなもので多数回殴るなどして頭蓋骨(ずがいこつ)陥没・粉砕骨折などの重傷を負わせ、雑排水槽に落として汚泥吸引により窒息死させた。

毎日新聞 2010年12月2日 大阪夕刊

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