香川大医学部がタイの在留邦人を対象に遠隔健康相談サービスを始めた。既に実験段階で、脳梗塞(こうそく)の早期発見につながる成果もあり、現地の人々は口々にサービスへの期待を述べた。100万人を超える在外邦人数を考えれば、こうしたサービスへのニーズはますます高まりそうだ▼一方、普及への課題について、同大学の医師は「医療者のリソース(資源)」を挙げた。国内でも医師不足が深刻化している中、サービスに割ける人材や時間には限りがある。当然、診療行為ではないため、医師は皆ボランティアで相談に乗る▼こうしたサービスの普及には、医師らの努力に加えて、それを支える制度や環境の整備も欠かせない。【吉田卓矢】
毎日新聞 2010年12月2日 地方版