現在位置:
  1. asahi.com
  2. 関西
  3. ニュース
  4. 記事

被告に懲役17年 米原・汚水槽女性殺害 大津地裁

2010年12月2日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 滋賀県米原市の汚水槽内で昨年6月、会社員小川典子さん(当時28)=同県長浜市=の遺体が見つかった事件で、殺人罪に問われた会社員森田繁成被告(41)=米原市坂口=の裁判員裁判の判決が2日午後、大津地裁であった。坪井祐子裁判長は「被告の説明は不自然で合理的ではない」などと述べ、森田被告に懲役17年(求刑無期懲役)を言い渡した。

 森田被告は捜査段階から一貫して殺害を否認。被告と事件を直接結びつける証拠はなく、裁判員は11月4日の初公判以降、土日などを除いて異例の10日間にわたる審理と5日間の評議を重ねた。

 森田被告は昨年6月10日夜〜翌11日未明、米原市伊吹の山中の汚水槽付近で、同じ長浜市の特殊ガラスメーカーに勤めていた小川さんを鈍器のようなもので何度も殴って重傷を負わせ、汚水槽内に落として殺害したとして起訴された。小川さんは10日午後8時ごろ、汚水槽から約15キロ離れた職場を出た後に行方不明になり、遺体は12日朝、くみ取り作業員が見つけた。

 検察側は、森田被告が家庭を持つ一方で小川さんと交際し、小川さんが消息を絶った10日夜には長浜市のJR高月駅付近で落ち合っていたと指摘。(1)被告に事件発生時間帯のアリバイがない(2)被告の車の助手席シートや左後輪のブレーキドラムから小川さんのDNA型と一致する血痕が見つかった――などとする間接証拠を示し、動機については「互いに浮気を疑ってトラブルとなり、小川さんをなだめなければ交際が発覚しかねない状況にあった」と主張していた。

 これに対し弁護側は、森田被告は10日夜に小川さんと会ったが、小川さんは「トイレ(に行く)」と言って1人で被告の車を運転して走り去ったと主張。車の血痕は事件以前についた小川さんの鼻血などで、検察側が挙げたトラブルについても「2人はけんかをしてもすぐに仲直りをする間柄で殺害の動機にはなりえない」とし、無罪判決を求めていた。

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

ダイヤモンド経済小説大賞を受賞した作家でもある弁護士・滝沢隆一郎による書き下ろし。「営業秘密と男性用かつら顧客名簿事件」ほか。

国内最大手法律事務所の弁護士が得意分野の最新動向を分析

ジョーンズとの出会い、そして「太平洋序曲」のころを振り返りながら、ウエストエンド公演への抱負と作品への思いを聞いた。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
  • 近畿のお天気