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【社会】

米原女性殺害に懲役17年 被告の無罪主張「信用できない」

2010年12月2日 夕刊

◆大津地裁の裁判員裁判判決

 滋賀県米原市の汚泥タンクで昨年6月、交際相手の派遣社員小川典子さん=当時(28)=を殺害したとして、殺人罪に問われていた会社員森田繁成被告(41)の裁判員裁判で、大津地裁は2日、懲役17年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。

 森田被告は逮捕時から無罪を主張していた。争点となった被告の車に付いた小川さんの血痕について、坪井祐子裁判長は「後輪のブレーキドラムの血痕は飛散して付着した可能性が高い」と判断。助手席の血痕には「初期の暴行で付いたという検察側の説明と矛盾しない。鼻血や生理血という被告の弁解は、すべて明確に記憶していることは不自然で信用できない」と述べた。

 検察側は論告で、交際をめぐる深刻なトラブルがあり、車内の血痕は犯行時のものとして「犯人が被告であることは明らか」と指摘していた。森田被告は最終陳述で「小川さんを殺していません。真犯人に怒りがこみ上げてくる」と述べていた。弁護側は「車の血痕は事件とは無関係。トラブルはなく、被告に動機はない」と強調していた。

 凶器や汚泥タンク付近の被告の指紋など決定的な証拠はなく、裁判員らが16人の証言と状況証拠からどう裁くのかが注目された。判決を含めた公判は全国で最長の11日間に及んだ。

 【米原殺人事件】 滋賀県米原市の汚泥タンクから小川典子さん=当時(28)=の遺体が昨年6月12日、窒息死の状態で見つかった。県警は6月19日、交際していた森田繁成被告(41)を逮捕。大津地検は7月9日、殺人の罪で起訴した。2人は同じ職場で働いていた。森田被告は昨年6月10〜11日、汚泥タンク付近で鈍器のようなもので小川さんの頭を多数回殴り、タンクに落として窒息死させたとして起訴された。

 

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