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【芸能・社会】宮古島にあった日本のブルース2010年12月2日 紙面から
世界的にも貴重な音楽性とされる沖縄県・宮古島の歌を紹介する「宮古島の神歌と古謡2010」が4日、東京都千代田区の法政大薩〓(さった)ホールで開かれる。島外で知られることのなかった歌を同島の歌い手が披露し、音楽プロデューサー久保田麻琴氏(61)らが解説する。 久保田氏は、1970年代に沖縄でヒットした喜納昌吉さんの「ハイサイおじさん」をカバーし、日本中に沖縄音楽を広めた。07年、宮古島の神事で歌い継がれてきた神歌と古謡に初めて触れ、衝撃を受けたという。 「(レとラがない)沖縄音階でないものが多く、むしろ北アフリカや地中海的なメロディーがある。沖縄本島から300キロ離れていて沖縄民謡とは分けて考える必要がある」(久保田氏)。 久保田氏は、独自性の一因として「人頭税」を指摘。明治時代に廃止されるまで約270年間、琉球王国が宮古島と八重山諸島に課した重税で、納税能力に関係なく病人ら弱者にも一定額が定められた。「娘を役人に取られそうになり洞窟に隠れる、という歌もある」 アフリカから新大陸に連行された黒人奴隷の苦悩がルーツにあるブルースとの共通点を感じるとも。「人格を否定され、楽器もない中、人間としての尊厳を保つための祈りが歌になった」 歌い手の高齢化で消滅の危機にある歌を残そうと、久保田氏は宮古島と周辺の島々で録音し、09年にCD化した。 4日のイベントでは録音に参加した5人組「ハーニーズ佐良浜」のほか、島外で初めて歌う狩俣ヒデさん(81)らが出演する。 イベントは当日6000円(学生3000円)。問い合わせは(電)03(5456)8880。 ※〓は、土へんに垂 PR情報
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