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【大相撲】

鳰の湖が新十両へ

2010年12月2日 紙面から

新十両を決めガッツポーズの鳰の湖=福岡市南区の北の湖部屋で

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 日本相撲協会は1日、福岡市内で初場所(来年1月9日初日・両国国技館)の番付編成会議を開き、新十両に鳰の湖(におのうみ、23)=北の湖部屋=、富士東(23)=玉ノ井部屋=の2人が決まった。鳰の湖は体の小さな入門希望者の第2新弟子検査合格者として豊ノ島、磋牙司、益荒海に次いで4人目の関取。富士東は元大関栃東の玉ノ井親方が2009年に部屋を継承後、初の新十両となった。

 再十両は野球賭博関与による謹慎で幕下に落ちた清瀬海(26)=北の湖部屋=が3場所ぶり、芳東(33)=玉ノ井部屋=が19場所ぶりの十両復帰となった。三段目以下の力士14人の引退も発表された。

 この日朝、福岡市南区の部屋にいた鳰の湖に協会からうれしい知らせが届いた。入門して8年半。待望の関取昇進の瞬間だった。

 14日目に十両に初めて大銀杏(おおいちょう)を結って上がったが、剣武に押し出され、5勝2敗。昇進は微妙になっていた。「上がれなくていい。来場所、もう一度頑張ろう」と心に誓っていた直後の吉報だ。

 公称174センチだが、第1新弟子検査では体格の基準に満たず、第2検査でようやく合格。それ以降も苦労の連続で、入門4年目の06年春場所後、かぜが原因で頭にばい菌が入った。

 「意識がなくなってしまった。1週間の記憶が飛んで、覚えていない」。病名は小脳炎で、検査を含めて1カ月入院した。女手一つで育ててくれた母・田中愛子さん(53)が故郷・大津市から上京し、つきっきりで看病してくれた。心配のあまり母親から「地元に戻ってきたら」とそれとなく引退を勧められたが、鳰の湖は「自分は相撲がやりたいと頑張り通した」。

 準地元となる大阪開催の春場所で大銀杏と化粧まわしの晴れ姿を母親に見せなければならない。だから「初場所は負け越しはできない」と早くも決意する。しこ名は琵琶湖の別名である「鳰の湖」をもらった。ただ、なかなか正確に読んでもらえないのが悩み。「入門したてのころ、呼び出しさんに土俵でハトの湖と呼ばれたことがあります」。もうそんなハプニングは起こらないはずだ。 (近藤昭和)

 

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