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滋賀・米原の排水槽殺人:裁判員裁判 状況証拠、どう評価 無罪主張、物証乏しく

 ◇2日判決

 滋賀県米原市の雑排水槽で会社員の小川典子さん(当時28歳)が遺体で見つかった事件で、交際相手で殺人罪に問われた森田繁成被告(41)に対する裁判員裁判の判決公判が12月2日、大津地裁(坪井祐子裁判長)である。被告・弁護人は一貫して無罪を主張し、検察は無期懲役を求刑。物証は乏しく、裁判員の判断が注目される。【加藤明子】

 検察が積み重ねた状況証拠の評価が争点。初公判から判決まで約1カ月間。証人15人を尋問し、審理に過去最長の10日間をかけた。

 ●犯行時間帯

 小川さんが消息を絶ったのは昨年6月10日夜。被告は、午後8時45分ごろ、仕事帰りの小川さんを車で迎えたが、小川さんが被告の車を1人で運転して走り去り、約1時間後に車を見つけた際、小川さんの姿はなかったと主張する。

 検察は、その後、翌日午前1時14分まで連絡を試みていない点を挙げ、「小川さんを捜していたとの弁解は不自然」と指摘した。10日は34回あった小川さんへのメール送信が11日の朝以降は2回に激減したのも「小川さんの死を知っていたから。11日のメールはカムフラージュ」と主張した。

 ●動機と車の血痕

 検察は、被告が不倫の暴露を恐れていたとみる。犯行時間帯に殺害現場付近で被告の車と似た車が目撃され、被告の車のブレーキドラムや助手席シートなどから検出された小川さんの血痕は暴行の際に付着したと主張。弁護人は「交際は順調だった。車内の血は事件以前に付いた鼻血などで、鑑定も被告の主張と矛盾しない」と反論。

 ●法廷供述の評価

 捜査段階で供述調書に一切署名しなかった被告が法廷では雄弁に無罪を訴えた。検察は「被害者を侮辱するうそを重ね、反省もない」と求刑理由を説明。弁護人は「言いたいことがあれば公判で直接述べるように指示した」と説明した。

 裁判員らは30日まで評議を重ねる。

 ◇森田被告の起訴内容

 09年6月10日午後9時~11日午前1時ごろ、米原市伊吹の雑排水槽付近で交際相手の小川さんの頭を鈍器のようなもので多数回殴るなどして頭蓋骨(ずがいこつ)陥没・粉砕骨折などの重傷を負わせ、雑排水槽に落として汚泥吸引により窒息死させた。

毎日新聞 2010年11月30日 大阪夕刊

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