秋篠宮ご夫妻へのやじ疑惑で民主・中井氏に懲罰動議 民主党は自民・逢沢氏に懲罰動議
民主党の中井 洽(ひろし)衆議院予算委員長の秋篠宮ご夫妻へのやじ疑惑をめぐり、与野党が懲罰動議を撃ち交わした。
民主党の中井衆院予算委員長は「僕が言うと怒られるが、秋篠宮さまがお入りになってから、遅刻したやつが十数人いたぞ」と話した。
自民党の逢沢国会対策委員長は「私の大変な過ちといいますか、ボーンヘッド(へま)で、あってはならないことを起こしてしまった」と話した。
2人に相次いで出された懲罰動議。
与野党の「懲罰合戦」で、泥仕合の様相になっている。
事の発端は11月29日、天皇皇后両陛下が出席された議会開設120周年記念式典での出来事だった。
秋篠宮ご夫妻が入場され、議員全員が起立して迎えた。
このあと進行表では、秋篠宮ご夫妻が一度着席し、両陛下の入場にあわせて、再度起立して迎えることになっていたが、秋篠宮ご夫妻は、陛下の登場まで起立されていた。
その時、中井氏の2つ左隣にいた、みんなの党・水野賢一議員が、驚くべき声を聞いたという。
みんなの党の水野議員は「まあ、『早く座れよ、こっちも座れないじゃないか』ということとかですね、『聞こえるように言わなきゃ、わかんないんだ』っていうようなですね、そういうような発言を。かなり大きな声で、やじるというよりは、独り言にしてはかなり大きい声で言ってて、そんなような感じでしたね」と証言した。
秋篠宮さまへのやじがあったと、野党から批判が出た。
式典で中井氏は、よほど座りたかったのか、皇后陛下が着席される前に1人で座り、もう一度起立するはめになった。
中井氏は「(やじではない?)隣の人にしゃべっただけだよ。工程表を見せてね、『お座りになる』と書いてあって、一同着席になってると。どうしたんだろうと。座らないと大変だよね、みんなと。宮様に伝えてないのかねと。そういうことを申し上げた」と話した。
「早く座れ」ではなく、「お座りにならないと大変」と、やじであることを否定した中井氏。
みんなの党の渡辺喜美代表は「本当に、精神状態が緩んでいる。まずは、中井議員が土下座をして、おわびをすべきだと思います」と批判した。
自民党とみんなの党などは、1日夕方、中井氏の懲罰動議を衆議院に提出した。
しかし、「皇室に対するとも思える、非常に不規則な、また看過できない発言がなされたと」と憤慨する自民党の逢沢氏も、懲罰動議を提出された。
式典中に鳴り響く着信音。携帯電話の持ち主は、自民党の逢沢氏だった。
自民党の逢沢氏は「私のまったくのミスで、携帯の着信音を切り替えるのを怠っておりました」と謝罪した。
民主党も対抗措置として、逢沢氏の懲罰動議を提出した。
与野党は、今国会の会期を延長せずに、3日に閉会することに合意した。
(12/02 00:41)