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連続不審死:木嶋被告を千葉移送 殺人容疑3度目の逮捕へ

都内から移送され千葉県警松戸署に入る木嶋佳苗被告=千葉県松戸市で2010年12月1日午前11時4分、三浦博之撮影
都内から移送され千葉県警松戸署に入る木嶋佳苗被告=千葉県松戸市で2010年12月1日午前11時4分、三浦博之撮影
殺人事件の現場と木嶋被告の自宅
殺人事件の現場と木嶋被告の自宅

 09年5月に千葉県野田市の無職、安藤建三さん(当時80歳)方が全焼し安藤さんが遺体で見つかった事件で、千葉県警は1日午前、2件の殺人罪で起訴されている木嶋佳苗被告(36)を殺人容疑で再逮捕するため、東京都内の勾留先から県警松戸署へ移送し、野田署に捜査本部を設置した。同日午後に再逮捕する。

 首都圏の連続不審死事件で、木嶋被告が殺人容疑で逮捕されるのは埼玉県富士見市の事件、東京都青梅市の事件に続き3度目。いずれの事件でも練炭自殺を装って殺害した疑いが持たれている。

 木嶋被告は同日午前9時、千葉県警のワゴン車に乗せられて勾留先の東京都立川市内の警視庁施設を出発した。車は運転席の後ろにカーテンが下ろされ、木嶋被告の表情はうかがえなかった。車は同11時すぎ、松戸署に到着。木嶋被告は青いパーカにサンダル履きという姿で車から降り、頭からフードをかぶったまま署に入った。

 捜査関係者によると、木嶋被告は09年5月15日、安藤さん方で練炭に火を付け、睡眠状態に陥った安藤さんを一酸化炭素中毒死させた疑いが持たれている。木嶋被告はヘルパーとして安藤さん方に出入りしていた。

 安藤さん方は午後1時ごろ出火し、木造平屋建ての住宅80平方メートルを全焼。焼け跡から安藤さんが遺体で見つかった。遺体のそばに七輪と練炭が残され、遺体を司法解剖したところ睡眠薬の成分が検出された。

 また火災のあった日に木嶋被告とみられる人物が安藤さんのキャッシュカードを使い、野田市内の現金自動受払機(ATM)で約180万円を引き出す姿が防犯カメラに映っていた。

 安藤さんに自殺する動機は見当たらず、県警は木嶋被告が事件に関与した疑いがあるとの見方を強め、捜査を進めていた。【中川聡子、駒木智一、味澤由妃】

毎日新聞 2010年12月1日 11時37分(最終更新 12月1日 12時54分)

 
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