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護国寺跡で出土した中央に独鈷杵が突き立てられた輪宝=1日午後、京都府八幡市の石清水八幡宮
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石清水八幡宮(京都府八幡市)境内の護国寺跡で、円形の「輪宝」と、くい状の「独鈷杵」と呼ばれる二つの銅製法具を組み合わせたものが6点見つかり、八幡市教育委員会が1日、発表した。
護国寺は平安前期に創建され、焼失と再建を繰り返し明治維新の廃仏毀釈で破壊された。1816年に本堂を再建した際、八方に法具を埋める天台宗特有の「安鎮家国法」に基づき地鎮祭を行ったとみられる。
こうした祭式は国が安定し、守られるよう祈念する極めて重要な時に限られ、市教委は「平安京の鬼門(北東)に位置する天台宗総本山の比叡山延暦寺と、裏鬼門(南西)に創設された八幡宮が連携して都を守っていたことを示す貴重な発見」としている。
独鈷杵は長さ約18センチで、通常は手で握り、念を込めるために使われる。直径約19センチの輪宝の中央に突き立てられ、護国寺の本堂跡に五角形に沿った形で配置されていた。