日銀:4年ぶりゼロ金利復活 35兆円規模の基金も検討へ

2010年10月5日 13時55分 更新:10月5日 14時7分

金融政策決定会合に出席するため日銀本店に入る白川方明総裁=東京都中央区で2010年10月5日午前(代表撮影)
金融政策決定会合に出席するため日銀本店に入る白川方明総裁=東京都中央区で2010年10月5日午前(代表撮影)

 日銀は5日、金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めた。政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0.1%程度から0~0.1%程度に引き下げ、06年7月以来約4年ぶりに事実上、ゼロ金利政策を復活させた。また、新たに国債や社債、コマーシャルペーパー、指数連動型上場投資信託(ETF)など多様な金融資産を買い取るため、総額35兆円規模の基金新設を検討する。資金供給の量的拡大を一層鮮明にするとともに、中小企業向けなどの銀行融資を後押しする効果を目指しており、先行き不安を強める企業心理や景気の下支えを狙う。

 白川方明総裁が同日午後、記者会見して追加緩和の理由などを説明する。

 日銀は、約15年ぶりの円高やエコカー補助金の終了などで、企業心理が冷え込みつつあり、景気の下振れ懸念が一段と強まったと判断。足元の景気について、従来の「緩やかに回復しつつある」との基調判断は変えなかったが、足元では一時的に減速しているとの表現を加え、昨年5月以降、改善方向に進んできた景気判断をやや後退させた。先行きは「回復傾向をたどる」との見方を維持した。

 ゼロ金利復活や多様な金融商品を買い取るのは異例の措置で、銀行が新たな中小企業向け融資をしやすくする効果を狙う。これまで日銀は銀行への資金供給を増やしてきたが、実体経済の回復を後押しする融資増には結びついておらず、より直接的に民間部門に資金を流す手法に踏み込む。

 さらに、日銀の緩和姿勢を鮮明にして円売り介入の効果が一巡して再び円高圧力が強まっている円相場を円安方向に促す効果も狙っていると見られる。市場で米連邦準備制度理事会(FRB)が「11月に追加緩和を打ち出す」との観測が根強いことも、早期の追加緩和の要因になった模様だ。【清水憲司】

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