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ウィキリークス:米公電暴露、影響拡大 イラン大統領「非難狙い情報操作」

 ◇ミサイル入手「うそ」と一蹴

 【テヘラン鵜塚健】ウィキリークスの米公電暴露問題について、アフマディネジャド・イラン大統領は29日の記者会見で「文書はイランにとって何の価値もない。組織的に流されたものだ」と語り、今回の暴露がイラン非難の国際世論を高めるための情報操作だとの見方を示した。

 公電によると複数の湾岸諸国がイランの核開発を懸念し、サウジアラビアのアブドラ国王が繰り返し米国にイラン攻撃を要請したとされる。これについて大統領は不快感を示す一方で、「文書は法的効力もなくイランの外交関係に影響を与えない」とした。

 イスラム教シーア派のイランは核開発問題で孤立を深める中、周辺のスンニ派アラブ諸国に接近。大統領は10月、アブドラ国王と電話協議するなどサウジとも関係改善に努めており、同国への直接の非難は避けた模様だ。

 一方、公電によると、イランは北朝鮮が開発した中距離弾道ミサイル「ムスダン」を19基入手したとされる。以前から北朝鮮との軍事協力を否定する大統領は「うその情報だ。私たちは外国から兵器を買う必要がない」と一蹴した。

 米国の情報操作説を巡り、イラン国営テレビ(電子版)は29日、「サウジが米国の術中に?」との見出しで報道。これまでウィキリークスが公開した文書がイラク、アフガニスタンでの民間人攻撃など米政府の責任を指摘する内容が多かった点に触れ、「今回のイラン関連の文書公開は、米国への追及の目をそらすために、米情報当局が巧みにしかけた」との見方を示した。

毎日新聞 2010年11月30日 東京夕刊

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