陸山会事件:小沢氏を強制起訴へ 検察審が議決

2010年10月4日 15時56分 更新:10月4日 22時1分

個人事務所を出る民主党の小沢一郎元幹事長(後列右)=東京都港区で2010年10月4日午後4時25分、佐々木順一撮影
個人事務所を出る民主党の小沢一郎元幹事長(後列右)=東京都港区で2010年10月4日午後4時25分、佐々木順一撮影
民主党の小沢一郎元幹事長を起訴すべきだとする検察審査会の議決を撮影しようと掲示板に詰め寄る報道陣ら=東京都千代田区で2010年10月4日午後3時52分、小林努撮影
民主党の小沢一郎元幹事長を起訴すべきだとする検察審査会の議決を撮影しようと掲示板に詰め寄る報道陣ら=東京都千代田区で2010年10月4日午後3時52分、小林努撮影

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、東京第5検察審査会は4日、小沢氏を04年、05年分の政治資金収支報告書の虚偽記載罪で起訴すべきだとする「起訴議決」を公表した。これにより、小沢氏は強制起訴されることが決まった。審査会は関与を否定する小沢氏の供述を「信用できない」と判断した。小沢氏の進退を問う声が高まることは確実で、政権に大きな打撃を与えるとみられる。

 議決は、民主党代表選が行われた9月14日付。第5審査会は審査会制度について「国民は裁判所に無罪か有罪かを判断してもらう権利があるという考えに基づくもので、容疑不十分として検察官が起訴をちゅうちょした場合に、国民の責任において刑事裁判で黒白をつけようとする制度である」との見解を示した。

 第5審査会は4月に小沢氏の「起訴相当」を議決したが、東京地検特捜部が再捜査し5月に改めて不起訴としたため、第2段階の審査を行っていた。

 公表した議決要旨で第5審査会は、検察の再捜査を「形式的で、事件解明のために十分行われたとは言い難い」と批判した。

 そのうえで、収支報告書提出前に小沢氏に報告・相談したとする元秘書の衆院議員、石川知裕被告(37)と後任の元秘書、池田光智被告(33)の捜査段階の供述を検討。「小沢氏を尊敬し、師と仰ぐ2人が小沢氏の関与を強める虚偽の供述をするとは考え難い」と信用性を認めた。

 2人の供述に具体性がないとされる点については「報告・相談から取り調べまで時間が経過しており不自然、不合理ではない」と判断。「迫真的な供述の方が作為性を感じる」と指摘した。再捜査で一転して小沢氏の関与を否定した池田元秘書の供述は「小沢氏の刑事処分への影響をおそれていることが明らか」として信用性を認めなかった。

 小沢氏の供述については「4億円の出所についての説明は著しく不合理で到底信用できない」と批判。「出所を明らかにしないことは、虚偽記載の動機があったことを示している」と判断した。

 さらに、土地購入の原資を偽装するため銀行から4億円を借り入れた際、小沢氏が融資申込書に署名したことなどから「元秘書との共謀の証拠がないとして不起訴としたことには疑問がある」と結論付けた。【三木幸治、山本将克】

 ◇ことば 陸山会事件

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」が04年、小沢氏の手持ち資金4億円を土地購入の原資に充てながら同年の政治資金収支報告書に記載せず、05年にずらして土地購入を記載し、07年に4億円を小沢氏に返済しながら記載しなかったなどとされる政治資金規正法違反。東京地検特捜部は2月に石川知裕衆院議員ら元秘書3人を計20億円超の虚偽記載で起訴し、小沢氏を容疑不十分で不起訴とした。07年分の虚偽記載容疑については東京第1検察審査会が7月に「不起訴不当」と議決したが、9月に特捜部が改めて不起訴処分とし、審査手続きが終了している。

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