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【産経抄】12月2日

2010.12.2 03:22
このニュースのトピックス産経抄

 毎年春と秋に行われる「園遊会」では、温かいお声をかけられる天皇陛下と招かれた人たちの間で、これまで数々の名語録が生まれてきた。なかでも「最高傑作」とされているのが、昭和57年の春の園遊会における、昭和天皇と柔道の山下泰裕選手のやりとりだ。

 ▼「ずいぶん柔道で一生懸命やっているようだが、骨が折れるだろうね」。「2年前に骨折しましたが、今は平気でがんばっています」。山下さんは途中で、「大変か」の意味だと気づいたが、一気に言い切ってしまった。次の瞬間、陛下は大笑いされたと、当時の新聞は伝えている。

 ▼「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」。11月29日の議会開設120年記念式典で、来賓の秋篠宮ご夫妻が天皇、皇后両陛下のご入場まで起立されているのを見て、民主党のベテラン議員がこんな不平を漏らしたという。

 ▼みんなの党の参院議員がブログで暴露した。小紙の取材に中井洽衆院予算委員長は、「副議長らに言った」と釈明した。翌日になると、日程表に「『お座りになる』と書いてある。座らないと大変だ、と申し上げた」などと発言がくるくる変わる。いずれにしても、両陛下がお見えになるまでのたった5分間、静かに立って待っていられなかった。

 ▼そんなこと、幼稚園児にだってできる。まさか足を骨折しているわけではあるまい。今年3月には、銀座ホステスとの交際が報じられるほど、活動的な人物である。非礼だ、懲罰だと大騒ぎする以前に、しつけレベルの問題という気がする。

 ▼山下さんは、昭和天皇を前にして、緊張のために「頭のなかが真っ白になった」と後に語っている。民主党に決定的に欠けているのが、この緊張感だ。

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