情報がよせられたので掲載。
(英語版ウィキペディア?でいいのかね)
スコットランドにおける単純所持禁止の法律について
http://en.wikipedia.org/wiki/Civic_Government_(Scotland)_Act_1982
児童
ポルノ関連の52
http://www.statutelaw.gov.uk/content.aspx?LegType=All+Legislation&title=Civic+Government+(Scotland)+Act&Year=1982&searchEnacted=0&extentMatchOnly=0&confersPower=0&blanketAmendment=0&sortAlpha=0&TYPE=QS&PageNumber=1&NavFrom=0&parentActiveTextDocId=2191918&ActiveTextDocId=2191985&filesize=23209
児童ポルノ関連の52A
http://www.statutelaw.gov.uk/content.aspx?LegType=All+Legislation&title=Civic+Government+(Scotland)+Act&Year=1982&searchEnacted=0&extentMatchOnly=0&confersPower=0&blanketAmendment=0&sortAlpha=0&TYPE=QS&PageNumber=1&NavFrom=0&parentActiveTextDocId=2191918&ActiveTextDocId=2191985&filesize=23209
よせられた情報によれば、この法律の成立は1982年。
そして実施(日本でいうところの施行にあたると思われる)が1985年。
これにより、強姦認知件数の推移に納得がいった。
先にもらってるエクセルなどから該当部分を引用。
http://www.homeoffice.gov.uk/rds/pdfs/100years.xls
1978年 1,243
1979年 1,170
1980年 1,225
1981年 1,068
1982年 1,336 スコットランドで単純所持禁止の設立
実質的には「公布」と見た方がよい
1983年 1,334
1984年 1,433
1985年 1,842 単純所持禁止が実施(施行)
1986年 2,288
1987年 2,471
1988年 2,855 イギリスで単純所持禁止(?)
1985年から規制開始だから、この年に一気に件数が上昇したのだろう。
規制が決定した年からあまり増加してないのが疑問だったが。
この法律の設立により、1985年から(多少の例外はあっても)単純所持禁止になる事が決定。
猶予期間と言っていいのか分からないが、その間に所持していた児童ポルノ関連の所持品を処分せねばならなくなるはずだ。持ってるのが見つかったら罪に問われるのだから。
もちろん例外もあるが、基本的には所持禁止である。
おそらくだが、あわせて児童ポルノと判断されるようなものの販売なども終了していったのだろう。
いずれ売れなくなるなら在庫として抱えるわけにはいかない。
裏で商売してるならともかく、表だって商売しているところが、まさか禁制品を売るわけにはいかないだろう。
何が処罰対象になり、どんな処罰が科されるのかは次を参照。
Copy 諸外国における実在しない児童を描写した漫画等のポルノに対する法規制の例
国立国会図書館調査及び立法考査局
間 柴 泰 治
http://www42.tok2.com/home/seekseek/RefA.html#tanjyun
(引用開始)
規制対象となるのは、1978年法第1条に規定される「児童のいかがわしい写真又は擬似写真」である。
(長くなるので省略します。詳しくはリンク先を)
処罰対象となる行為は、1978年法第1条が定める製造、頒布、陳列、頒布・陳列目的の所持、これらの広告及び1988年法第160条が定める単純所持である(56)。
正式の起訴による有罪の場合、
前者では、10年以下の自由刑又は罰金あるいはそれら双方が科され(1978年法第6条)、
後者では、5年以下の自由刑又は罰金あるいはそれら双方が科される(1988年法第160条第2A項)。
なお、訴訟手続において、次のいずれかに該当することを被告人が証明した場合は、児童ポルノに関する罪に問われない。
(ここからも長くなるので省略する。
詳しくはリンク先を)
(引用終了)
ざっと見た感想だが、販売目的の写真などの保有は不可能かと思われる。
1978年法や1988年法とやらを見なければ詳細は不明だが。
そしていずれ保有ができなくなるなら購入しようという者もそうはいないだろう。
最後の最後まで手元に残しておくにしても。
新規での購入や入手はどれくらいだったのかは現時点では不明。今後分かるかどうかも不明。
駆け込み需要でギリギリまでがんばったのか。
それとも諦めて新規の入手はやめたのか。
ポルノ物そのものはまだ製作され続けていたかもしれないが、果たしてイングランドにまで流れ込んできたかどうか。
そこも分からない。当時の流通具合を調べた資料があるかもしれないが。それをどうやって見つければいいのか分からない。
ただ、俺が流通業者だとすれば、あと三年で所持できなくなるものを積極的に在庫として抱えようとは思わない。
万が一にも在庫になれば、販売もできなくなるような代物を抱える事に成る。そんな事がをする程の度胸はない。
むろん、規制されるのはスコットランドだけで、それ以外の地域では販売も可能なのだが、それができるのは大規模に店舗を展開しているところくらいだろう。スコットランド内だけで店を構えている零細業者の場合は、リスクが大きすぎる。
購入者であるならば。
これはちょっと難しいところだ。
たぶんギリギリまで持ってるものを手放さないとは思う。
俺も基本的にオタクなので、好きなものをすぐに手放すという事はない。これは自身を持って言える。
だが、新規で購入となるとやはり躊躇する。
いずれ手放さなくてはならないのに、新たに買うだろうか。
自分の好きなものであっても、やはり躊躇してしまう。
当然ながらスコットランドから出て行けばそれでいいのだが、その場合は引越と転職が必要になる。
それが出来ればいいが、そうも言ってられないなら諦めるしかない。
当時のスコットランド在住の方々が何をどう思っていたかは分からないが、俺だったらいずれ無くなるもので商売しようとは思わない。
購入する側としては、それでもぎりぎりまで手にしていたいとは思うかもしれないが。
そういった購入者の心情を読み取って、上手い奴は商売をするのかもしれないが。
だが、それにしたって1982年と1983年くらいまでがうまくいく限界ではなかろうか。
1984年になったら在庫を抱える危険が大きくなる。
いくらなんでもこんな時期に新たな在庫を抱えるのは危険ではなかろうか。
消費者の立場でも危険をおかしてまで買いたいとは思わない。
一部の熱烈な愛好者は例外になるのだろうけど。
いえね、コミケとかアキバとかに行くから分かるんですよ。好きな奴はどんな事があろうとも手に入れようとする、って事が。
アイドルに熱をあげてる方々も参考になるかもしれない。そういったものが好きなファンというのは、万難を排して追いかけてるアイドルに関わろうとするものだ。
ただ、全体からすれば少数だろうし、熱烈な連中であっても一部は冷静になってしまうかもしれないが。
話が逸れたような気がするので本題に戻りたい。
1978年から1981年までの、若干とはいえ減少ととれる傾向が終わったのは1982年である。
その時どんな変化があったのかは分からない。
もしかしたら、他にもなんらかの大きな要因があったのかもしれない。
俺が今思いつくのは一つだけ。
フォークランド紛争だ。
(参照)
フォークランド紛争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%B4%9B%E4%BA%89
●1982年3月19日から1982年6月14日
これがどのように影響を与えてるのかは定かではないが、この年に行われたこの紛争(戦争とみる場合もあるとのこと)が今思いつく大きな衝撃だ。
他にも政治的に何かが決定されたり、イギリスをとりまく環境の何かが変わったり。
あるいは何らかの事件がこの年(あるいはこの年にいたるまで)に何かあったのかもしれないが、残念ながらそれは分からない。
分からないから今は何ともいえない。
分かってるのは、児童ポルノ規制がこの年法律として成立したこと。これが1985年から実施されるということ。
他の様々な要因については、だから語れない。
とりあえず昨日掲載した記事に若干経済的な事などが書いてあるが、それらがどのように影響を与えたのかは分からない。
「ちょっと気になったので資料を流し読んでみた」
http://angel.ap.teacup.com/grnahtgasgra/441.html
この年あたりからイギリス経済はとりあえず持ち直していく。
その成果が出てくるのにまだ時間はかかるが、最悪の事態からは一応は好転していく。
とはいえ、強姦認知件数は増加の一途を辿るのだが。
ちなみにイギリスの死刑廃止は1969年とのこと。
(参照)
死刑
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E5%88%91#.E3.83.A8.E3.83.BC.E3.83.AD.E3.83.83.E3.83.91
これももしかしたらなんらかの要因になってるのかもしれない。
だが、どの程度影響があるのかは分からない。
ちなみに俺は、死刑に賛成している。
なので、この死刑廃止がイギリスにおける犯罪増加の遠因になってるのかも、とか考えている。
何はともあれ、1985年はそれまで以上に強姦が増加している。
前年に比べて400件近くの増加。それはそれ以前のイギリスではなかった程の増加となっている。
単純に増加件数だけ比べてみれば、それまでで一番多かったときでさえ、200〜250件余りの増加だった。
1974年 1,052
1975年 1,040
1976年 1,094
1977年 1,015
1978年 1,243 写真頒布禁止
1979年 1,170
1980年 1,225
1981年 1,068
1982年 1,336 スコットランド単純所持禁止公布
フォークランド紛争
1983年 1,334
1984年 1,433
1985年 1,842 単純所持禁止が実施(施行)
1986年 2,288
1987年 2,471
1988年 2,855 イギリスで単純所持禁止(?)
上記の1977年から1978年にかけて、1981年から1982年にかけて。
ほかにも100〜150件の増加というのもあるが。
だが、それらを抜いての上昇だから驚くしかない。
単純に前年比で考えれば、より大きな上昇率を示す所もあるかもしれない。
だが、1984年はそれまでで最大の強姦認知件数になっている。
そこから更に跳ね上がってるのだからただごとではない。
それまでで最大だったところから更に跳ね上がる。
その為には、それまで以上の加害者が必要になってくる。
警察だって犯罪者を取り締まってるはずだし、逮捕して投獄されれば、たとえそれが一定期間だけであっても市井に影響を及ぼす事はできなくなる。
その分だけ被害者も減るはずなのだが。
それがそうならずに件数が増加しているということは、それだけ加害者になる者が増えたのだろう。
もちろん認知件数の数え方や認知の基準などの変化もあるかもしれない。
それまでより簡単に犯罪として認定されるようになれば、強姦の定義が拡大されれば、認知件数も増えるかもしれない。
今のところそういった情報を得てないので何ともいえないが。
だが、そういった事がないのであれば、この強姦認知件数増加は単純に犯罪者の増加と、被害者の増加だけによるものとなる。
しかしこの件数とはどのようなものなのだろうか。
単純に強姦事件として受理された件数なのだろうが。
それは被害者一人につき一件と数えてるのだろうか。
あるいは、ひとりの人間が複数回強姦にあえば、その都度事件として件数に数えてるのか。
まさか犯罪者一人につき一件、ではないと思うが。
そこがよく分からないので、実際の被害者数と加害者数がどうなってるのかは分からない。
まあ、加害者が増えるから被害者も増えるし、被害者が増えるから届け出る件数も増加する、と考えるのが自然だとは思うが。
実際はどうなんだろうか。
ともあれ強姦認知件数は上昇の一途を辿っていく。
途中それが緩やかになる事があっても、止まる事は無い。
1988年の単純所持禁止後も当然増えていく。
この1988年の単純所持禁止が、公布・成立だけなのか、施行・実施を兼ねてるのかは分からない。
調べようと思ったのだが、なかなか見つからない。
やむなく「1988年単純所持禁止」という事で処理している。
おそらくは、これも公布と施行が別々だとは思うのだが。
それはいずれ分かる日が来るかもしれない。
しかし、この水準にいたってもまだ増加に歯止めがかかったり緩やかになったりしないこと。
1989〜1990年、1991〜1992年はさほど伸びてはいない(と言ってもそれはこの前後がおかしいだけで、この時期だって100件近くの増加をしている)が、その前後が酷い。
1988〜1989年は450件の増加。
1990〜1991年は650件ほどの増加。
1992〜1993年は440件ほどの増加となっている。
その後も年間500件くらいずつ増加していってる。1995年は何も情報がないから何件だったのか分からないが。
先程も書いたが、警察だって取り締まってるだろうに、それでも強姦の認知件数は増えている。
逮捕してもすぐ釈放してるのかもしれない。
死刑廃止で刑務所が受刑者であふれる故の措置でそうしている、というのはアメリカだっただろうか。そんな話を聞いた事がある。
イギリスではどうなってるのか知らないが。
しかし、逮捕して投獄して、巷から犯罪者が減ってるにも関わらず件数が増えてるのは、後から後から犯罪者があらわれてるからだろう。
でなければこれだけの増加はありえないのではないだろうか。
おまけに高い水準で増加率をほぼ保っている。
増加率が一定というのは恐ろしい事である。
元の値が小さいときならばともかく、元の値が大きくなると増加率は恐ろしい結果をもたらす。
ちょっと計算してみると分かると思われる。
既に高い水準に至っているものが、以前と同じ増加率を保っているとなると、増える件数が低い水準だったころよりはるかに大きくなるのだ。
試しに計算してみよう。
毎年10%ずつ増加したらどうなるのかを。
1年目 100
2年目 110
3年目 121
4年目 133.1
5年目 146.41
6年目 161.051
7年目 177.1561
8年目 194.87171
9年目 214.358881
10年目 235.794769
1年目〜2年目では増加したのは10点となっている。
9年目〜10年目だと増加は21(端数切り捨て)だ。
元の値が違うとこれだけ差が出てくる。同じ10%と言えども。
これが毎年10ずつ増えていったとしたら?
1年目 100
2年目 110(10%)
3年目 120(9)
4年目 130(8%)
5年目 140(7.6%)
6年目 150(7.1%)
7年目 160(6.6%)
8年目 170(6.2%)
9年目 180(5.8%)
10年目 190(5.5%)
同じ分だけ増えていったら増加率の方は年々落ちていく事になる。
上手な説明でなくて申し訳ないが、それでも分かってほしい。
高い水準になっても同じ増加率を保つというのは、もうそれだけで異常なのだと。
もし高い水準でも同じだけの増加率を保とうとするならば、低い水準の時よりもはるかに大きな値が必要になってくる。
あらためてどれほど増加しているのかを見て欲しい。
1988 2,855 単純所持禁止
1989 3,305
1990 3,391 サッチャー退陣
1991 4,045 雇用減少開始
1992 4,142
1993 4,589 雇用減少停止
1994 5,032 疑似写真禁止
1995 雇用回復開始
1996 5,990
1997 6,628
1997/8 6,898
1998/9(old rules) 7,641
1998/9(new rules)59 7,636
1999/00 8,409
2000/01 8,593
2001/02 9,734
若干増加が鈍ってるように見えるところもあるが、そんな時でも前年に比べれば100件近く増えていたりする。
これだけの増加は、80年代前半あたりまでは滅多に見る事が出来なかったほどの増加数となっている。
しかし80年代後半からは、比較的緩やかな増加と見なせるほど大人しい増加数になってしまっている。
1980年代後半からの増加数はそれだけ大きなものになってしまっている。
1994年の疑似写真禁止以降は毎年500件以上の増加も珍しいものではなくなっている。
前年より500件も増加した、などというのは、それまでほとんど無かった事だ。
これだけの犯罪を犯す加害者が毎年続出してるかと思うと恐ろしくなってくる。
何度も言うが、毎年取り締まりは行ってるはずである。
それにも関わらず、前年以上に件数が増えてしまっているのだ。
取り締まっても取り締まっても、後から出てくるってのはどういう事なんだろうか。
前回の記事でも少し述べたが、統計数値だけを見ればこの時期のイギリスというのは決して悪い状態ではない。
細かな所を見ていけば問題は多々あると思うのだが、雇用や失業率などはおしなべて改善傾向にある。
もちろん、「雇用はされてるが、賃金が少ない」というような場合も含めての事だろうが。
そういった問題点については現在適当な資料が見つからない、何を見ればいいのか分からないので触れる事ができない。ひとえに俺の無能さのせいである。
だからといって無視して言い訳ではないが、分からないから言及できない。
もしかしたら、見た目とは裏腹に実態は酷いものなのかもしれない。
漏れ聞く話しから「イギリスの経済状態は酷い」という話は聞くし。
だが、その実態が分からないので、正直考慮に入れる事ができないでいる。
今こうして数少ない情報を元に見ている限りでは、節目節目毎に児童ポルノ規制が悪影響を及ぼし、その後も強姦認知件数の増加を促進してるのではないか、と思わせる。
少なくともそのような数値をはじき出している。
何せ強姦認知件数は規制が施される前より後の方が酷くなっている。
1978年の写真頒布禁止では例外的に規制後に強姦件数が減少傾向を見せたが、それとて禁止以前の水準に比べれば大きい値を出してしまっている。唯一の救いは、その差が割と少ない事であろうか。
だが、1982年のスコットランドでの児童ポルノ所持規制成立(公布)、1985年のスコットランドにおける単純所持規制の開始(施行)、1988年のイギリスでの単純所持禁止(公布・施行がどうなってるのかは不明)、1994年の疑似写真禁止(これも公布・施行がどうなってるのかは不明)などは、規制後に更なる酷い飛躍をもたらしている。
82年で前年より250件ほどの増加。
85年から88年までから200〜400件の増加。
88年の規制以降は94年まで年間平均約240件ほどの増加。間に増加が足踏みした時期があるが、それでも結局は大きく増えてしまっている。
そして94年以降は、毎年500件以上、1000件増加もあるような状態になっている。
規制が強まる毎に、増加する件数が増えていっているような気がする。
こういった規制を実現しようとしてる連中や、規制反対に異を唱える連中は数多いと思うが、こういった数値や規制の経緯を見ている現在、とても規制反対の意見を変える気にはなれない。
更なる情報が集まれば、また違った視点も開けるかもしれないが、現状ではこんな感じである。
何より人間の欲望に規制をしたところでろくな事にはならない。
それが人に害を為したり、直接の被害はなくても不快にさせるような事ならば取り締まったりたしなめたりする必要はある。
だが、だからといって取り上げたりするような事になれば、それは予想外の反撃を呼び込む事になる。
イギリスのこの強姦増加は、規制に対する反撃の一つなのではないかと思う。
(参考)
児童ポルノ規制による性犯罪の増加
http://www42.tok2.com/home/seekseek/53.html
1