2010年12月1日10時50分
デトロイトのGM工場に展示されたシボレー・ボルト=山川写す |
【デトロイト=山川一基】米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は11月30日、補助用のガソリンエンジンがついた電気自動車(EV)「シボレー・ボルト」の販売を始めると発表し、市販車の生産に入った。12月中に米国の一部の州の販売店に届け、来年には輸出を始める。社運をかけた新型車の売れ行きが注目される。
ボルトを生産するデトロイトのハムトラムク工場では同日、従業員や自治体関係者らによる販売開始のイベントが開かれた。ダニエル・アカーソン最高経営責任者(CEO)は「GMは自動車の『電化』において先導役でありつづける」と述べた。今後2年間でEVの技術者千人を新規採用する計画も表明。EV開発へ大きくかじを切る方針だ。
米国での車体価格は4万1千ドル(約340万円)で、7500ドルの税控除を受けられる。輸出先については当面、欧州とオーストラリアとしている。日本や中国への輸出について、同社幹部は朝日新聞の取材に対し「検討している。ただ具体的に固まった計画はまだない」と語った。
また、市販1号車は5万ドルからネット競売にかけられ、売り上げはデトロイトの公立学校に寄付される。
ボルトは家庭などで充電した電気で約60キロ走り、充電が切れそうになるとガソリンエンジンが発電して500キロ程度走る。GMはハイブリッド自動車で日系メーカーに大きく後れをとっており、ボルトで巻き返しを図りたい考えだ。ただ、販売価格が割高なことと、日産自動車の「リーフ」などのような純粋なEVではないため、消費者がどう評価するかは未知数だ。