厚生労働省は、世帯の年収に応じて医療費の自己負担に上限を設けている制度について、上限額を引き下げられないか検討してきましたが、必要な財源の確保が難しいため見送ることになりました。
世帯の年収に応じて、医療費の自己負担に上限を設けている制度をめぐっては、負担軽減が十分でないという指摘が出ていることから、厚生労働省は、来年度から住民税が課税されていない世帯を除く年収300万円以下の世帯の上限額を引き下げられないか検討してきました。しかし、この対策に必要な財源は2000億円以上に上り、厳しい財政状況のなか、財源を確保できる見通しが立たず、引き下げを見送ることになりました。ただ、厚生労働省では、医療費の上限を超えた額について、患者が窓口でいったん立て替えなければならない現在の方式に不満の声もあることから、これを見直す方向で検討することにしています。厚生労働省では、2日に開かれる社会保障審議会でこうした方針を提案することにしています。