朝鮮王室儀軌引き渡し　首相の「野党が邪魔」発言に、自民が猛反発

　自民党は１日朝、外交部会を開き、日本統治時代に朝鮮半島から渡った朝鮮王室儀軌を含む図書計１２０５冊の韓国引き渡しについて議論した。出席者からは引き渡しを定めた日韓図書協定の国会承認が審議入りしていないにもかかわらず、菅直人首相が「野党が邪魔している」と発言したことに反発が相次ぎ、３日の臨時国会会期末を前に協定承認は絶望的な状況だ。

　平沢勝栄衆院議員は「竹島問題で歩み寄りがあれば意味があるが、（引き渡しで）日本に何の得があるのか」と疑問を呈した。山本一太参院政審会長は「仙谷由人官房長官の問責決議が可決された参院では通さない」と明言。額賀福志郎元財務相は北朝鮮の韓国砲撃を例に出し「心を一つにして難局に立ち向かう姿勢は国益にかなう」と賛同を訴えたが、「別次元の問題だ」との意見が噴出した。