砂糖
出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
砂糖(さとう)とは、カロリーは高いが各種疾病を誘発させる麻薬の一種である。
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[編集] 概要
砂糖は炭素(これはある猛毒性のガスの主成分の一つである)と酸素と水素(どちらもDHMOの主成分である)から構成される化学物質である。その化学式は(C6H12O5)M2[1]。重量に対して異常にカロリーが高いため、しばしば、生物の生命活動(特に脳や神経系統)の効率の良いエネルギー源として利用される。
しかしその一方で、口内疾病や生活習慣病(糖尿病など。また心臓病の遠因にもなる)などの疾病を誘発させる危険な化合物であると目されている。しかし、その恐ろしいリスクをおしてなお一般に蔓延している点から、覚醒剤やヘロイン・コカイン以上に依存性のある(これらも十二分に危険な猛毒だが)非常に危険な化合物(薬物)であるとも言える。
2004年に世界保健機関(WHO)と国際糖尿病連合(IDF)が共同で発表したところでは、この恐ろしい化学物質による中毒死亡者は世界で年間320万人にものぼるとしている。また、この中毒者は2002年調査で1億7100万人、2030年には3億6600万人にまで膨れ上がることが予測されている([1])。これは喫煙よりはやや少ないが、自殺よりははるかに多いと見られている。
このように、砂糖は真に危険な薬物なのだが、今のところ砂糖を規制する法律は世界中どこにも施行されていないのが実情である。
一般には「白い粉」として知られているこの化学物質は、未精製時には黒褐色をしており、これは敢えて黒砂糖と呼ばれている。精製することにより砂糖は白い粉となって市場に出回っており、これらは様々な食品に隠されて我々の口に入る。
また、2010年現在の総死亡者のほぼ100%が砂糖を摂取した経験があると統計されている。
[編集] 毒性
この化学物質が持つ殺菌作用をはじめとした毒性は古来から知られており、これを生かして保存料として盛んに使用されてきた。例えば煮たアズキに、アズキ3に対して砂糖を4の割合で加えることで最大の毒性を発揮し、細菌の繁殖が抑えられることが知られている。毒性評価に用いられるLD50(ラット1kgあたりの半数致死量)では大さじ3杯となっている。ちなみに、よく「ナメクジに塩」と言われるが、砂糖でも同様のことが可能である。これも砂糖の持つ毒性を生かした例であろう。
砂糖の過剰摂取は代謝異常を引き起こして急性の中毒を起こすことが知られており、日本ではペットボトル症候群などの事例が知られている。この症候群では意識障害や失明といった症状が報告されており、慢性中毒ともなると、血栓による下肢の切断にまで至った事例も数多くある。また、突然死の一つである脳卒中や心筋梗塞(どちらも生存しても重大な障害を残すことがある)、社会的損失の大きいSAS(睡眠時無呼吸症候群)の発生源の一つと考えられている。
さらに、砂糖は脳内麻薬であるエンドルフィンの分泌を促すことが知られる。一般に脳内麻薬は依存性が少ないと言われるが、あくまで比較の問題であり、脳内麻薬の依存症に陥る者も少なくないことを考えれば、この薬物の危険性は単純には語れないことがわかる。
[編集] 中毒症状
砂糖の中毒では、摂取時に「口元が緩む」や「幸福感を感じる」といったものがあるが、一方、禁断症状では空腹感やいらつき、眩暈や頭痛のように強い苦痛を感じることが知られている。
特に極度の禁断症状ではひどい頭痛を引き起こすことが知られており、低血糖症と呼ばれる、糖の血中濃度が下がる症状(これは依存症患者にとって大変な苦痛である)では、アドレナリン大量放出による異常行動や昏睡を起こすほどの禁断症状を示す。
また依存症患者の中には、砂糖を大量に含む食物は、通常の食物の摂取時とは別の消化器官に送れるとする妄想にとらわれる者が多い。この消化器官は別腹と呼ばれるが、前述の通りこれは依存症患者の妄想の産物であり、実際には体内に存在しない器官である。余談ではあるが、英語ではこの器官はcake hallと呼ばれ、この妄想が文化を問わず存在することがわかる。
なお、依存症患者を指す隠語として「甘党」がある。ただし、麻薬中毒という危険な状態を滑稽な言葉で表現することには問題があり、危険から目をそらす結果にもなりかねない。そのため、この隠語が一般に広がることを危惧する声が大きい。
[編集] 生産
[編集] 植物に罪はないが……
この化学物質の原料としては、砂糖黍や甜菜(砂糖大根)などが知られている。砂糖黍は大麻やケシ・コカ同様に熱帯〜亜熱帯地域で栽培されており、古くは砂糖黍が砂糖の原料の中心であった。しかし、ナポレオンの大陸封鎖令によってヨーロッパに砂糖が供給されなくなったため、ヨーロッパの中毒患者は代りに寒冷地でも栽培できる甜菜を原料とした。日本では沖縄での砂糖黍の栽培が有名であるが、現在では小規模なものであり、実際には北海道で栽培されている甜菜が国内で生産される砂糖原料の多くを占める。
奄美では、砂糖黍より作った粗製の砂糖から中毒性の高い薬物が公然と製造されている。第二次世界大戦の占領政策で砂糖を本土へ運べず、現地で消費する必要性から産まれた戦争の落し子という側面もあり、実際、麻薬規制にうるさい日本政府も、この液体については奄美に限定して特別扱いをしている(因みに、戦前には砂糖の毒性は殆ど問題にされていなかった)。
また砂糖黍は、名著「美味しんぼ」によって糾弾された調味料の原料でもある。メーカーは天然原料から生産しているのであって化学合成品ではないと主張しているが、「美味しんぼ」においては化学合成品に等しいものであると指摘がなされている。実際にこの調味料はかつては石油から合成されていた。
日本国外では砂糖楓が有名である。カナダは半ば国策としてこの麻薬の生産を奨励しており、樹液から得られた液糖を世界中に密輸して中毒患者を増やしているならず者国家である。世界保健機関等の警鐘もこの北国には届かず、あろう事か国旗にまでもこの麻薬の葉をデザインする等、全く懲りる様子が無い。毎年冬になると、工場周辺には麻薬を求めて人々が群れを為し、精製工場からは収穫祭の名目で、出来たばかりの高純度の濃縮液が中毒患者に振舞われる。その時期だけ雪と氷に閉ざされた極寒の町は、異様な活気に包まれるという。
このようにして生産された液糖は、小麦粉に重曹を加え、牛乳で溶いた泥状の液体を鉄板の上で焼き固めたものの上からかけて食することで、食べた者の体温を有意に上げることが判明している。そのため、この摂取法はしばしば「熱くさせる焼き物(ホットケーキ)」と呼称される。
[編集] 糖分に狂いし動物達
猛毒を持つ膜翅目の昆虫を飼い慣らし、この麻薬の一種の蜂蜜を植物の蜜から集めさせて全国を駆け回る裏稼業(一般に養蜂家と呼ばれる)が存在する。彼らはこの昆虫が、扱いさえ誤らなければ安全であると主張するが、一方で、この昆虫の一種である雀蜂は日本だけで毎年三十人前後の死者を出す非常に危険な生物であることも事実である。野生の雀蜂は各地で駆除が行われているが、未だ根絶には至っていない。それどころか近年被害が増加して、問題となっている。
- 雀蜂はごく一部の猛禽類や特殊な寄生虫と影の最強昆虫と言われる虫挽虻以外にはこれといって目立った天敵らしいものはなく、せいぜい、糖分を求めて恐らく日本最強の食肉類である熊が希に巣を襲う程度である。
- 長野県等の一部に、命の危険も顧みず野生の雀蜂の巣を駆除する猛者が昔から存在はするが、彼等の本当の目的は、蜂の仔と呼ばれる、糖分や肉を栄養として丸々と肥え太った幼虫を食べる事であり、実の所、害虫駆除の使命は名ばかり、欲と麻薬に目が眩んだジャンキーの成れの果てである。結局、糖分に狂わされたつわもの共は、どれも常軌を逸しているか、又は近寄るだけでも危険この上ないものばかりである。自分が可愛いなら関わるべきではないだろう。
[編集] 代替物質
その余りに危険な毒性と中毒の輪から逃れようと、また一部の者は安い費用から合成麻薬を生産しようという不埒な考えから、人類は涙ぐましい努力の下、代替品の開発(主に化学合成)に心血を注いで来た。
- 天然物。砂糖より高価であり大量生産に適さず、漢方薬にもなっており副作用も少々だがある。独特の苦みがあることから、読みが同じレバーとしばしば混同される。何よりも薬特有の風味を有する為、大部分の食品とは相性が良くない。のど飴などで大量に使用され、仁丹などにも混入しているが、しばしば過量摂取により低カリウム血症や浮腫など特有の合併症を引き起こす。またホルモン活性をもち植物由来環境ホルモンの一つである。
- 鉛糖
- 中世までの代表的な合成甘味料。古代、金属の盃に飲料を注ぐと独特の甘味が化学反応により発生し、時の権力者に好まれた。その甘味の主成分を抽出したのが鉛糖である。砂糖の摂取で顕著に見られる糖尿病等の副作用は皆無であり、応用次第ではもっと評価されても良いと思われる。だが、材料の金属は枯渇が心配され現在高騰しており、この系列の甘味料は食品添加物としては生産されていない。古代の高貴な味の復権はあるのだろうか。
- 甘汞
- 甘味が有るが水に溶け難く調味料としては不適であり、別の薬として使用されていた。現在は使用されていない。
- ズルチン
- 低価格で合成出来たので代替麻薬として世界で大量に生産されていた。ただ砂糖よりも毒性が強く、ぺろっと嘗めて死人が出るわ長期摂取が祟って癌で死ぬわで生産中止になった。
- サッカリン
- 同じく大量に生産されるも、動物実験で癌の発生が認められて食品に対して厳しく制限。なおこの薬品の中毒者は歯磨き粉を愛用しているという怪情報。現在は人間における発癌性は低いとして中国や、アメリカなどで使用が許可されている。
- チクロ
- アスパルテーム
- 熱に弱く、煮物に入れると分解するので用途が限られている。また環境ホルモンとして疑われ、継続的な摂取により男性の精子が減少するとの報告がある。
- 齲歯を予防し口の中を健康にすると宣伝しつつも、歯垢をがっちりと定着させて歯槽膿漏や歯齦炎を助長するのが実体である。予防歯科の価値を高めて歯科医師会からの御墨付きを貰った、ある意味本家よりも腹黒い魔の代替糖である。
- 多量摂取により少し腹が下る事があるのを除けば健康に良い。カロリーも低く、糖尿病などの疾病も起こしにくく、一部の種類は誘引性の有る香りも甘味も皆無である。最近、有望な代替品として使われ始めたが、その種類に限って甘味等が存在し副作用も少しあるというのが皮肉である。とは言え本来の砂糖よりは毒性が少なく、末期の中毒患者へ已む無く使用するのならば有効であろう。但し保険適用外の附加価値商品であり、かなり高額である。
- 今話題の中華謹製の合成甘味料。余りの甘さにパナマ等の中南米で中毒患者が続出した。日本の一部の歯磨きにも輸入品として入って来ている。又、天然にも特別な条件で生成される為、過去にはオーストリアワインに大量に発見され、キッコーマンの子会社もその自然発生を祝って高らかに宣伝していた。何にせよ匙加減が難しく、匙加減を間違えると死ぬので素人には御薦め出来ない。
- 転化糖
- 厳密には合成物質ではなく、砂糖の主成分である蔗糖の化学分解生成物である。ジャムや蜂蜜等に代表されるその形状は保管には余り向かないが、元材料の蔗糖と比較して甘味がより強い。同重量の物から高濃度の物が作れるのなら、結果として消費が減らせるのではないか? 普通は誰もが思う物なのだが、実際の蜜系の消費形態を想像してみれば、消費量は減るどころか多い事さえある。結果として二重の意味で中毒に拍車が掛かるだけであり、利するのは屍の山の上に立つ製造業者だけである。
その涙ぐましい努力とやらも、御世辞にも良い結果が出ているとは言えないのが現状である。
[編集] 文化
[編集] 日本での祭
古来より神社や仏閣の参堂、境内で行われる祭や新年の初詣等では、屋台と呼ばれる簡易型のプレハブの露店が建ち並ぶ。そこでは動物虐待や狙撃を模した物、粗悪な能面等の販売と並んで、麻薬を高濃度で含む食品、一部では外観を変えただけの麻薬その物を販売している物がある。
例としては薔薇科の植物の果実等をどぎつく着色した後に液状の麻薬を塗布する、高濃度の液状麻薬を冷却して可搬状態に加工する、粗製麻薬を熔融状態に加熱し薬品を添加して発泡させる、同じく加熱遠心機で加工して繊維状にし独特の風味とする、また上記両者の麻薬を混合、加熱した上で形状を加工する等々、枚挙に暇が無い。
それらの加工品は一般市場では入手が困難なのをいい事に、材料の末端価格よりもかなり高い価格に設定されている物が多い。又、更には販売露店の関係者、露店の場所の取仕切にはかなりの部分で暴力団の関与が見られる。実際、収益の一部が黒い資金源に成っているとも言われ、日本文化を蝕んでいる害悪の根は相当に深いと言えるだろう。
一方最近では、一時的にであれ中毒患者を暴力団から遠ざけるとの名目で、都市部の公園等で、暴力団の関与を可能な限り排した形で祭が行われる事が多くなって来ている。だがそれでも麻薬系加工物の販売率はさほど低下していないとの報告もある。単に暴力団が巧妙に隠れるようになっただけなのか、それとも余りにも中毒患者が増えた為に需要として確立してしまった物なのか、今後の詳しい調査が待たれよう。
[編集] 欧米での祭
万聖節の前日、欧米の一部では主に児童が、屍体や魔女、吸血鬼等々の尋常ならざる人外の扮装をして群れを為し、「食物を寄越せ。さもなくば何等かの危害を加える」と言いながら人家を巡り家人を脅す風習がある。この場面で小麦系の食料に混じって、良く紙に包まれた丸薬状の麻薬を賄賂のような形で渡す事が多い。
これに限らず〜祭と訳される大抵の行事で供される食品には、過剰に麻薬が混入されている物が多い様である。
又、先述の様に生産工場からの蔵出し自体が文化的な祭にまで成ってしまっているカナダ等の例もあると附記しておく。
[編集] バレンタインデー
多分に伝承や宗教的策略が混じってはいるが、ローマ帝国時代に国策に背いて兵士の結婚を執行い、刑場の露と消えたと伝えられる聖ウァレンティヌスの命日の2月14日は恋人の日とされ、欧米のみならず基督教とは縁の薄い日本でも贈答品を贈る事が今や定着している。
抜け目の無い者は何処にでも居る物で、19世紀頃から一部の業者がチョコレートを贈答品に推奨し始め、後にそれに日本の菓子業者が便乗した。彼等の造る菓子には当然の事ながら大量の麻薬成分が含まれており(今でこそ麻薬フリーのチョコレートが僅かだが販売される様になったが、その生産量は微々たる物である)、彼等にとっては夢に胸躍らせる恋人達は販売成績の為の数字を稼ぐ鴨に過ぎない。その事実に恋人の居ない者共は憤慨し、嫉妬するのである。
当然、縊死した聖人の屍には誰も目を向けない。千数百年が経過した今、人々の愛に殉じた泉下の彼は今何を思うのだろうか。あ、宗教違うから雲の上か。
[編集] 砂糖を巡る話・作品
[編集] 過去からの警鐘
江戸期に創作され、現在に伝わったとされるよく似た説話がある。
[編集] 宗純の狡智
- 室町時代の高名な禅僧宗純の少年時代、まだ周建と呼ばれていた頃の話である。彼の師である集鑑が砂糖の中毒となり、深夜、密かに砂糖の濃厚溶液を摂取しているところを周建らに見付かってしまう。彼は浅ましくも、この麻薬を弟子達に盗まれないように猛毒と警告してその場を誤魔化した(正しい事ではあるのだが)。翌日、集鑑が外出した隙に、彼が隠した麻薬壺を発見した周建らは麻薬の匂いに負けて皆で奪い合うように食べ尽くしてしまうが、盗み喰いをした悪事を隠蔽するべく、寺の財産を破壊してから集団自殺未遂を装う。何も知らずに戻って来た集鑑は大損害に嘆き、深く悔いた。
[編集] 附子(ぶす)
- 狂言でも、ほぼ同様の作品「附子」がある。こちらも舶来の麻薬に手を出した主人が、下人の太郎冠者と次郎冠者に砂糖の入った桶を猛毒の附子(鳥兜の毒)入りだと警告をして外出したが、留守の間に太郎冠者と次郎冠者は誘惑に負けてこれを食べてしまう。彼らの取った行動は更に過激で、主人の複数の財産をこれでもかこれでもかと破却しまくり、これまた自殺未遂を装う。更には釈明後にラリって暴れて主人に追い廻される所で終る。
どちらからも江戸時代の時点でのこの麻薬への認識や危機感が読み取れる。当時の権力者、聖職者さえも道を誤らせたこの麻薬への警句として興味深い。
- 室町時代当時かなりの高級品であり、入手可能な上級層には既に中毒が浸透していた。
- 致死毒と言われてさえ食べてしまう程の強力な誘引性を持つ。
- 摂取後の作用として、超高額な物への破壊活動を行い主を謀る等の、著しい道徳感の欠如と尋常ではない凶暴化。
- 同じく幻覚を伴う高揚感?
関連は不明であるが、後年の宗純の奇行は当時の平常心では起こせない突飛な物が多いのもまた事実である。晩年は仏道を極め格別の権威と文化人としての評価を得た彼ならば、高額の麻薬の入手に関してもさほど困難は無かっただろう。彼の残した詩にはよくわからないが森で濃厚溶液を讃えるものもあり、少くとも口には入れていたと思われる。
[編集] 火垂るの墓
終戦前後の神戸市・西宮市周辺を舞台とし、後にスタジオジブリにより映画化され、映像の再現度から原作者の野坂昭如をして「アニメ恐るべし」と言わしめた作品「火垂るの墓」は、主人公清太とその妹である節子は戦争で父母を亡くし、西宮のババアの家に住むも邪険にされたため二人で自炊生活を行い、食料もまともに無い生活の中で二人は病み、相次いで斃れて行く。敵味方としてではなく戦争の齎す物への訴えからか、当時の相手国の米国でさえも高い評価を得ている作品である。ある米国人など「どうして自殺用拳銃とセット販売しないのか」とまで語ったらしい。その癖ヤツらは反省しないけどな!
母親が墓場にゴミのように投げられるシーンやたくさんの遺体がある場面を見たムスカはきっとこういったことであろう。「見ろ!!人がゴミのようだ!!」。
この物語では、当時から市販されている佐久間製固化麻薬とその缶が重要な小道具として登場する。
作中では家族の遺した固化麻薬の甘さが彼等の飢えへの苦痛を少しではあるが和らげ(悲しい事だがこの場合の麻薬摂取に異論を挟む者は居ないであろう)、節子は後に病の中でその味に幻覚を見て、彼女亡き後、その空の缶は節子の骨壷として清太が栄養失調で後を追うまで彼の傍にあった。この作品にとって固形麻薬の缶は正に還って来ない過去と死の象徴であるとも言える。
モデルの原作者本人と主人公清太との違いは、原作者は生き残り清太は死んだ点である。原作者は「弱った実の妹に口移しで食べさせようとして、飢えに負けてごくんと飲み込んでしまった」と後に吐露しており、死ななかった彼自身への懺悔からか、自分の分身である主人公に非難の対象となる欠陥、家出をして生き急いだという愚行をさせている。その理由の一つに作者と清太との違いがある。清太の傍らには当時贅沢で一般人には入手困難な麻薬が存在していた。つまり過去にそれが入手可能だった時期があり、なまじ豊かな生活や甘美な味を知って仕舞ったもう一人の彼は、粗食や屈辱的な生活に耐えられなかったのである。
とは言え、砂糖と死を結び付けているのは当然の事であり、ここまでは良しとしよう。だが、映画の制作において麻薬産業の協力があった事だけは忘れては成らない。当時復刻版として発売された製品には、恐ろしい事に飢えた節子が空っぽに近い「缶」を覗いている場面が印刷されており、麻薬に関わる企業の利潤追求への外道さを垣間見る事が出来る。
[編集] 御菓子の家
グリム童話ヘンゼルとグレーテルに、魔女が作った「御菓子の家」が登場する。食料で釣り、そこで子供等を太らせてから喰らおうと言う、人を北京ダックやフォアグラ同然に扱う魔女の策が垣間見える。原作ではパンの家であり窓硝子程度しか甘い部分は無いのだが、後に話を膨らませた出版社の謀略により家は何時しか麻薬まみれとなって、人々の想像を更に掻き立てる事となった。
今でこそメルヘンの世界の夢の家そのものとして扱われる事が多いが、童話原作も含め、その背後には黒いどろどろとした物が渦巻いている事をゆめゆめ忘れてはならない。
[編集] 関連書籍
- 砂糖病—甘い麻薬の正体 ISBN 4817071982
- 砂糖は体も心も狂わせる—学校・家庭内暴力も砂糖のとりすぎが関係 ISBN 489332005X
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 砂糖の含まれるDHMO液を使用した危険な競技。