「う……ん……」
『伽藍の堂』の応接室、そのソファーに、弓塚さつきは寝かされていた。
「んー、よく寝た」
裸に毛布一枚で。
「………へ?」
どこぞのアニメの様に自分の体を見下ろさなければ気が付かない訳もなく、さつきは自分が何故こんな姿で眠っているのか考えて……
(……ボッ)
すぐさま思考を中断……しようとして失敗した。
「※☆●◇♀〆#▼□≒∀★ーーーーー!!!」
――――――――――――――――――――――――― しばらくお待ちください ―――――――――――――――――――――――――
「もうお嫁に行けないーーー!!」
弓塚さつきは半泣きになりながら叫んでいた。
とは言え、大分落ち着いて来ており、それを最後に静かになった。
「はあ、はあ、はあ……」
叫びすぎて息切れをおこしていたが。
さつきは自分のそばに畳んで置いてあった制服を着て、回りの状況を確認した。どうやら『伽藍の堂』の住人は、全員どこかに出かけているらしい。いくら呼んでも出てこない(それ以前にあれだけ大騒ぎして出て来ない時点で確定な訳だが)。
「ふう」
取りあえず、自分が寝ていたソファーに腰掛けたさつきであった。
「まったくとうこさんたらあんなひとだったなんておもわなかったこんどあっ」
その口からは呪詛の様な言葉がダダ漏れになっていたが。
「まずはじょうくうひゃくめーとるまでうちあげておちてきたところをてっちゅうでなぐりつけてふっとんでったとこ……?」
と、その呪詛(笑)が不意に止まり、さつきは自分の頬を濡らすものの正体を確かめるために、そこに手をやった。
(……これ……涙……?)
なんで、涙なんか……と、考えたさつきは、はっと、今、この瞬間に涙してるんだということに気が付いた。
昨日、おとついの夜なんかは慌ただしくて実感出来なかったが、こういう、穏やかでのんびりした時間は、弓塚が長い間忘れていたものだった。
それだけじゃない。
おとついや昨日、弓塚は普通に他の人と話していたが、考えてみれば、それも三咲町を出て以来、初めてのことだった。
こんなに安心して眠ることが出来るのも、裏路地で寒くて堅い地面の上で眠らなくて良いのも、実に三週間ぶりだった。
(……むう。今回だけは、許してあげよ……)
と、早く帰って来ないかなーなどと考えながら、『伽藍の堂の』の住人の帰りを待つさつきであった。
一番早く帰ってきたのは、幹也と式だった。式は見るからに不機嫌であり、幹也は紙バッグを3つも持っていた。
「あれ? 起きてたんだ弓塚さん」
そうさつきに声をかける幹也に対し、式はずかずかと応接室に入り込み、さつきが座ってるのとは別のソファーにどかっと腰掛けた。
(…………)
話しかけない方がいいと肌で感じたさつきは、幹也のみにはなしかける。
「はい。ついさっき。幹也さん達は、なにをやってたんですか?」
さつきがそう訊いた直後、応接室をものすごい殺気が包み込む。
その殺気にかたまるさつきに対し、幹也はそれを感じてもいないのか(実際は、ああ、また式は不機嫌だなぐらいにしか感じてない)、何ともなしにそれに答える。
「ああ、ちょっと君の服を買いに……ね。一つしか持ってないみたいだったから……」
殺気が更に膨れあがった。
それだけで、さつきは大体のことを理解した。
(ああ、ようするに……)
さつきは立ち上がると、殺気をかき分けながら式の前まで行って、
「頑張ってください」
と言った。言った瞬間、殺気の矛先が一瞬さつきに集中したが、顔を上げた式は、さつきの視線に何かを感じたのか、
「……ふんっ」
と、顔を背けてしまった。殺気もおさまっている。
「?」
と、部屋の中に入ってきて、さつきの言葉に首をかしげる幹也に、
(この朴念仁!)
今度は弓塚の殺気も+された。しかし、それでも幹也は首をかしげるばかり。
さつきははあ、とため息をつくが、彼は自分のために服を買って来てくれたのだ。その行為を無為にする訳にはいかない。
「わざわざありがとうございます、幹也さん。でも、どうしていきなり服のことなんか……」
時間なら昨日もあったはずだが……と、そこでさつきは気が付いた。ここは応接室。自分はさっきまでどんな格好でここにいた? 隣には何があった? そして、幹也が昼間、ここに来ない可能性は?
さつきの発する負のオーラに、流石の幹也も冷や汗をかく。
「い、いや、見てない見てない。絶対見てない! そりゃまあ、入ってきた時に不可抗力で少しだけ毛布からはみ出してるところが見えちゃったりもしたけど、それだけ! ほんとにそれだけだから!!」
「……ほう。おいサツキ。その話、詳しく聞かせろ」
「え、式さん知らないんですか?」
「オレは、自分の部屋にいるところをいきなりこいつが訪ねてきて、顔を真っ赤にしながら服を選ぶの手伝ってくれって言われて連れ出されただけだ」
「…………」
さつきは、あまりのことに声が出なかった。
幹也にぶつける殺気が、だんだんと大きくなっていく。
さつきは、自分がどんな格好でここにいたのかということと、幹也の行動に関する自分の考えを、包み隠さず式に話した。
話が終わる頃には、二人から巻き起こる絶大なまでの負のオーラ。
唐変木の幹也も、これには流石に身の危険を感じ、紙袋をその場に置いて、部屋から逃げ出そうとした。
が、幹也が扉の前に付くと同時に、その扉が開かれ、橙子が入って来た。
「おいおい何だ? この廊下まで届いてくる殺気は?」
必然的に、部屋の方まで押し戻される幹也。
「コクトー、お前、今どこに行こうとしてた?」
「幹也くん。少し、頭冷やそうか?」
ギ、ギ、ギと、壊れたブリキ人形の様に振り向く幹也。そこには、純和風で蒼眼の死神と、茶髪ツインテールの魔王がいた。これはたまらんと、すぐさまジャンピング土下座に移行。
「すいませんでした!」
「「ふう」」
死神と吸血鬼は、揃ってため息を吐くと殺気を霧散させた。その思考に行き着いた理由はともかく、その行動は完全な善意なのだ。そこまで責めることは出来なかった。
「おい幹也。お前、なかなか愉快な状況だったみたいだな」
「勘弁してください橙子さん」
幹也は、気が抜けた様に床に座り込んだ。
と、
「おい。ワシはいつまで待っとりゃいいんじゃ?」
と、廊下から聞き慣れない声が聞こえた。
「ああ、すまん。入ってくれ」
橙子と幹也が道を空けると、廊下から、四角い顔に短く刈そろえられた白髪に、短く刈そろえられたヒゲを生やした初老の男性がいた。
これだけ聞くと厳格そうなイメージを持つが、その顔には、イタズラ小僧の様な笑みが浮かべられている。
式とさつきは、その人が人外であることを即座に理解したが、橙子が連れてきた人なので、普通に対応することにする。
「トウコ、誰だ?」
式のその言葉に、橙子は思わず苦笑する。
「ここに鮮花でも居れば卒倒してたかもしれんな。
この人は、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。
世界で五人しかいない魔法使いの一人で、第二魔法の使い手だ。
あと、死徒二十七祖の第4位もやってるな」
「「「 ・ ・ ・ ? 」」」
言葉の意味を殆ど理解出来てない一同。
「あー、とにかく、世界で五人しかいないものっそいことが出来る人の内の一人で、
普通に考えたらまず勝つことの出来ない吸血鬼の中の一人ってことだ」
橙子の紹介も、自然と投げやりなものになる。
「おいおい。何かかなり投げやりな紹介な気がしたんだが?」
苦笑するゼルレッチ。
急いで幹也がフォローする。
「えーと、魔法ってのについては、以前橙子さんに聞いたことがあります。
確か、橙子さん達が使っているのは魔術で、現代の科学技術で結果の再現が可能な神秘。
で、その上位に位置するのが魔法で、そちらは結果の再現が不可能な、本物の神秘……でしたっけ?」
「そう。その通りだ」
「ご託はいい。で、何でそんなご大層な人がこんなところにいるんだ?」
幹也の精一杯のフォローをご託の一言で殺す式。橙子は頭を抱えている。「全く。知識が不足しているのは式《こっち》もだったか……」等と呟いている。だが、
「はっはっは! 橙子よ、お前の工房の住人は実に愉快な者達だな!?」
……当の本人は気にもしていなかった。
「式、流石にそれは失礼だよ」
「五月蠅い。それよりもさっさと質問に答えろ」
「ん? おお、すまんかった。いやな、何やら面白いことをする吸血鬼を保護したから、そいつを使ってちょっと遊んでみんか誘われたんでな。面白そうだから乗ったまでよ」
「「「……………」」」
予想の斜め上を行く回答に、言葉を無くす一同。
さつきは橙子にアイコンタクトを試みる。
(あの……、橙子さん、まさかとは思いますが……その、『面白そうな吸血鬼』って、わたしのことじゃ……)
(そうに決まっているだろう)
(……ヒドイ……わたしは玩具ですか……)
そのまま床にのの字を書き始めた。
「えっと……所長、ゼルレッチさんとはどういったご関係で……?」
「ん? ただの知り合いだが……」
「へえ、出会ったきっかけとかわ!?」
語尾が変だが、何らおかしくはない。何故なら、その瞬間橙子が壮絶な殺気と共に幹也の顔スレスレに火球を飛ばしたからだ。
((成る程。『あの人』がらみか……))
それ以上は聞くまいと、心に誓った幹也と式であった。
「で、これがそこの、弓塚さつきの使う能力の、こちらで調べたデータなんだが……」
全員がソファーに座り、橙子がゼルレッチに資料らしき紙を渡している。
ゼルレッチがそこに目を通す。
「……ほう。これはこれは。確かに、このデータからならそういう結論にたどり付くが。
まさか、成り立ての吸血鬼でこんなことが出来るようになるとは。
確かに、これは興味深いな」
「だろう? でもな、こっちで調べても解ったのが、魔術を殴ることが出来る理由のみでな。
どうやってそういう現象を起こしているのか、全くわからないんだ。
後で体を調べたが、元から付加されてる訳でも無かった。一応、魔術を使った形跡は有ったには有ったんだが、それも何とも微妙なものでな。
どういう術式を使えばこんなことが出来るのか、全く解らん」
と、そろそろ式が痺れを切らした。
「おい。そっちだけで楽しくやってんな。
こっちにもちゃんと理解出来るように説明してくれ」
橙子とゼルレッチがそちらに顔を向けると、残りの二人も、式と同じで、話の内容を知りたいというような顔をしていた。
「ああ。すまんな。取りあえず、理屈はすっ飛ばして、起きている現象のみをわかりやすく説明すると……
そうだな。『概念の付加』だな」
「『概念の付加』?」
声を上げたのはさつきだけだが、三人とも解ってないのは表情でわかる。
「あー、そもそも、概念ってものを理解してるやつ、居るか?」
「えっと、『意味』……みたいな?」
「そうだ。それでいい。弓塚はな、何かを殴るとき、自分の拳に、『殴る』……まあ、厳密には『打撃を与える』だが、そういう『意味』を付加させてるんだ」
「「「 ・ ・ ・ ?」」」
またもや疑問符を浮かべる三人。
橙子とゼルレッチは、さてどう説明したものかと顔を見合わせる。
「えっと、拳で殴ろうとしてるんだから、その拳が殴るという意味を持つのはおかしいことじゃないんじゃあ……?
それに、どうしてそれで火の玉とかが殴れたのかとか、わかりませんよ」
「いや……それとはまた違うんだが……
はて、どう説明したものか……そうだ。私がたまに、ものすごく古い骨董品を買うことあるだろう?」
「ええ。そのせいでこちらの財布がただの布きれになることもしばしば」
「その理由はな、その品に、長い年月をかけて魔術的な『意味』が付加されてるからなんだ」
「……あぁ」
式は何かに気が付いた様だが、
「「………………………」」
さつきと幹也は惚けたままだった。
「うーん。で、その魔術的な『意味』ってのはな、現実にまで浸食してくるんだよ」
幹也が、頭を抱えながら言った。
「つまり、付喪神みたいなものですか?」
黙り込んだままだったゼルレッチが口を開く。
「惜しいが、違う。が、良い線をいっておる。もしも、その、付喪神を多くの人々が知っておるならば、
全ての物体には、『長い年月がかかると神が宿る』という意味を持ち、八百万の神になるだろう」
「『意味』と言うのは、人間のイメージみたいなものですか?」
「うーむ。そう思ってくれて構わんだろう。
人々から、これはそういうものだと思われ続けたものは、その思われていたものと同じような力を得る。
うむ。魔術師連中が聞けば、色々と矛盾や例外を突きつけられそうな解釈だが、まあ、そんな感じでよかろう」
と、ゼルレッチは締めくくったが、さつき、幹也の二人は、それさえも理解するのに必死なようだ。
「わかったかい? お前たち」
「「ま、まあ……何とかイメージは……」」
「まあ、何となくでいいよ。理屈で考えようとして、一般人が理解できる様なもんじゃない。
んで、弓塚がやってることなんだが……自分の拳に、『殴る』という概念を与えることで、あらゆるものを『殴る』ことが出来る拳にしている、ということのようだ。
全く、自分の肉体を概念武装と同等にするとは。非常識にも程がある」
(………)
何となく、理屈は理解できたさつきではあったが……
「だがな、これではまだ疑問が残る。そこでだ。さつき、もう一回、ちょっと実験に付き合え」
どうやら、まだややこしいことがあるらしい。
「へ!?」
さつきは、とっさに体を両腕で隠すような仕草をする。
「そっちじゃない。また、ある物を殴って欲しいんだ」
「は、はい。そっちなら……」
橙子の言葉に、あからさまにホッとするさつき。
「じゃあ、ちょっと待て。*****,**,***,*****,*,****,*!」
橙子が、今度は空中にいくつかの文字を描きながら何事かを呟く。
と、さつきの前に半透明の青色の膜が現れた。
「式は、直死で見た方がわかりやすいだろう」
橙子のその言葉に、式は目を入れ替える。
「じゃあ、そー、れっ!」
さつきが、目の前に見える膜を殴る。と、その膜はセロファンを殴られた様にやぶけ、消滅した。
「ふむ。やはりな。式、わかったか?」
橙子の言葉に、
「ああ。一つ、殴れなかったな」
「「?」」
その言葉に、首をかしげるさつきと幹也。
「今私が張ったのは、結界だ。だが、その結界はただの境界線のようなものでな。普通は触れん。
で、だ。私が張った結界は、1つじゃ無いんだ。もう一つ、お前が殴った結界の前に、同等の能力を持った不可視の結界がある」
「は、はぁ……」
「だが、今その不可視の方はお前に殴られなかった。
つまり、お前は自分が視認した物体が、あたかも個体であるかのようにして『殴る』ことができるということだ。
これがまた面白くてな。つまり、お前の拳に付加された『概念』は、お前のイメージのみを参考にしていると言って良い」
「えっと、視認しなきゃ、いけないんですか?」
「あー、ちょっと言い方に語弊があったな。そういやお前、今までも透明な結界を殴って壊したことあったんだっけか。
うーん。ここら辺の説明は式ならすぐ解ると思うんだが……いきなり理解しろというのはな……。
いいか弓塚、先程はお前のイメージを参考にしているという言い方をしたが、誤解の無いようにきちんと言おう。お前が物を『殴る』には、その物体が『殴られる』とどうなるかを理解してないといけないんだ」
「成る程。オレと同じというわけか」
橙子の言葉に式は納得の様子を見せるが、
「「はあ」」
残りの二人は、言っている"言葉の意味"は分かったが理解できないという様子だった。
「まあ、物を殴るってのは案外見た目通りみたいだから、『自分が認識した物体は殴れる』って考えでいいと思うぞ」
「はい……わかりました」
何とか理解した(?)一同であった。
(まあ、どうやって概念付加なんてことやってるのかは、全く解らないんだがな)
(しかし、その『概念』が作用するものは、弓塚さつきが理解したもののみ。これは、この娘が何らかの魔術を無意識下で発動し、概念付加を為し得てるとしか思えん)
((中々に面白いじゃないか!!))
魔術師と魔法使いは、互いに好奇心に胸を高鳴らせていた。
「で、だ。私は今から、とある作業の続きに入らねばならん。その間に、弓塚、お前、シュパインオーグ氏に色々と訓練してもらえ」
「……はい?」
「お前の能力にはまだ可能性がある。それに、自分の能力、ちゃんと使いこなしておきたいだろう?」
「……ええ、そりゃあまあ。でも、ゼルレッチさんは……」
さつきは、迷惑じゃないかとゼルレッチを見るが、ゼルレッチは、顔に笑みを貼り付けながら、
「ワシなら構わん。喜んで指導してやろう。場所は?」
とあっさりと引き受けた。
「この建物の裏に、広いスペースがある。結界もそこまで広げといた。じゃあ決まりだな。では」
「え、あ、ちょっと……」
話は決まったと、そそくさと出て行く橙子に、さつきは慌てるが、もうどうにもならない。
更に言うと、橙子は去り際に、しっかりゼルレッチとアイコンタクトを取っていた。
(調査の結果、後でちゃんと報告してくれよ?)
(ああ、勿論だとも)
…………南無。
数時間後
「ゼルレッチさん! これは一体!?」
「こ、これは……! いかん! このままでは!」
場所は変わって、地下である作業をしていた橙子は、自分の工房内の異変に気が付いた。
(これは……式たちが消えた? いや、ある一定の空間が隔離されてるのか? 全く、流石は魔法使い。人様の工房で、よくもまあこれだけの結界を張れるものだ)
気が付いたのだが、今は魔法使いが訪れている時。多少のでも多大でも、何が起こっても不思議ではないと、この時、橙子は深く考えはしなかった。
数分後、またもや場所は変わり、応接室。
そこでは、多少ボロボロに(服なんかは完全に吹き飛んだので、式が着替えさせた。昼間に買っておいて良かったと、幹也はため息をついた。)なったさつきがソファーで寝ていた。気絶させられたと言っても良い。
その回りには、式、幹也、ゼルレッチが居る。三人とも、酷く疲れた様子だ。
「ふう、ふう。……ふう。……全く、まさか■■■■まで発現させるとは。その効果とあいまって、予想外だらけだわい」
ゼルレッチは、そう良いながら手にした輸血パックから血を飲む。
「「…………………………………………………………………」」
他の二人は、もう疲労困憊の様子だ。
まだ多少元気のある式が立ち上がった。
「今日はもう帰る。何だか酷く疲れた。あれが何であるか、明日きちんと説明してもらうからな」
幹也は、もう寝ていた。
「――――を発現させたあぁぁぁぁぁ!!???」
「ああ。しかも、その能力が厄介な上、本人の理性が無くても全く問題無いときた。
ワシも、まさか宝石剣を抜くことになるとは思わんかったよ」
「人の工房の中で、一体何をやってるんだあんたら……
一体どれほどの神秘を具現させれば気が済むのか、最初の内に目安を言っといてくれ……」
弓塚さつきは、頬を叩かれる感触に、目を覚ました。
「う……ん……」
「ほら、早よ起きんか」
「へ?」
さつきが目を開けると、目の前にはゼルレッチがいた。
「え? へ? あれ?」
(わたし、どうしたんだっけ?)
さつきは、頭を捻って思い出そうとする。
(えっと、強引に特訓やらされることになって、式さんや幹也さんも見物に付いてきて、
半ば強制的に、それなりに進歩もなくやらされてた特訓中に、ゼルレッチさんが
『お前の魔術は、お前の思考に裏打ちされているとしか思えん。もしかしたら、『殴る』以外の概念も付加出来るかも知れん。
よって、一度、自分の内側を見つめ直してみろ。大なり小なり、進歩があるはずじゃ。ワシが魔術で後押しする』
って言うもんで、じゃあやってみようってことになって……あれ? その後どうなったんだっけ?)
と、そこまで考えたさつきの目の前に、輸血パックが差し出された。
「ホレ。取りあえず、飲め。かなり疲れているはずじゃ」
さつきは言われて初めて、自分の体がかなり疲労していることに気が付いた。
輸血パックを受け取り、
「あの、あれから、どうなったんですか? ゼルレッチさんに魔術をかけられてからの記憶が無いんですけど……」
言ってから、血を吸う。
「何と……一つも覚えとらんのか……その説明は後でする。好きなだけ飲んだら今度は風呂に行け。昨日は入れんかっただろう。恐らく、今日もこれを逃したら入ってる暇も無いぞ」
「……へ? 昨日?」
と、そこでさつきは、人間だったころの癖で、ついカーテンを閉められた窓を見て…………
その隙間から入ってくる日の光を見た。
「へ? お昼!?」
「そうだ。お前は今日、ここを出て行かねばならん。だが、その前にお前に魔術的な知識を与えておかんと、かーなーりまずいことになるという結論が昨日出てな。時間が惜しくて、この時間に起こした。
別に辛くも何ともなかろう。今までだって、暇だから長時間睡眠していただけだろうに。
と、言うわけで、お前が風呂から出てきたら、早速勉強会じゃ」
と、そういわれてさつきは、以前橙子から聞いた言葉を思い出した。
『よし、お前を三日間だけ、ここに置いてやる。その間、お前の置かれている状況の享受、血の提供、知識の提供、今後のアフターケアまでやってやろう』
(そっか。あれから、もう三日経っちゃったんだ……)
知らず、寂しい思いがこみ上げてくる。そんなさつきを見て、ゼルレッチは、
「いや、まあ、何も今からずっと勉強尽くしって訳でもない。休憩時間に、幹也くんや式くんと談笑するぐらいは出来るだろう。
ほれ、早く支度せい」
「はい……」
と、答えて、さつきは今の自分の格好に違和感を持った。服が、制服じゃない。
「あれ? わたし、いつの間に着替えたんだっけ?」
その言葉にギクリとなるゼルレッチ。知らず、視線がある方向に向く。
さつきがそちらを向くと、そこには、無残にもボロボロになった制服と下着が……。
「えっと、ゼルレッチさん? これは一体どういうことですか?」
死徒二十七祖第四位であり、朱い月の月堕としを止めた吸血鬼が、一介の吸血鬼少女の威圧感に尻込みした瞬間であった。
夜。
『伽藍の堂』の地下に、全員が集合していた。そこは、真ん中に巨大なテーブル、回りにはどう見ても人間にしか見えないものが転がっている。
さつきは頭の使いすぎでオーバーヒートを起こしている。そのため、そちらに関心をもつ余裕は無い。
そんなさつきの様子を見て、橙子が言った。
「おーい。大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……」
明らかに疲れ切っている。輸血パックから血を吸ってはいるが、あまり回復した感じはない。
まあ、本人が大丈夫だと言ってるんだしと、橙子はそっちを丸投げにしてゼルレッチに話しかけた。
「で、どうだった?」
「ああ、全く。こやつの飲み込みの早さには呆れたわい。
普段から無意識的に魔術を使ってたからなのか、親元の吸血鬼が余程優秀で、その知識が流れ込んでるのか、はたまた才能か。
とにかく、吸血鬼、魔術、それとこやつの■■■■のことについて、必要不可欠な知識や、基礎的な知識は大雑把ながら詰め込んだぞ」
「さつきさん、頑張ってましたから」
幹也がフォローを入れる。幹也は、最初から最後まで休憩の度にさつきに会いに来ていた。途中からは式も来るようになり、三人はいつも道理の調子で談笑していたのだった。そこに、さつきはかつての学校を思い出していた。それが彼らなりの気遣い(式はどちらか微妙であるが)であると気付いたさつきは、二人にとても感謝していた。
「そうか。では問題ないな。では、最終段階だ。これを見てくれ」
言うと、橙子はテーブルの上に置いてあった布を退けた。
その下から出てきたものには、流石のさつきも反応した。
「え!? わ、わたし!!?」
そこから出てきたのは、間違い無く裸体のさつきであった。しかし、年齢が著しく後退しているが。
「そういや、弓塚にはまだ言ってなかったか。私の特技は人形作りでな。本物の人間と寸分違わぬ人形を作ることが出来る」
「に、人形? これが?」
まだどっかから子供を捕まえてきて形成手術をしたと言われた方が納得できるとさつきは思った。
「ほう。流石、なかなかのもんじゃの」
「へー、流石は橙子さん。そっくりじゃありませんか」
ゼルレッチと幹也が当然の様に褒めるので、さつきもそれを橙子が作った『人形』であると認識することにした。
「で、でも何でわたしの人形なんか……」
あの時やった『身体測定』はこのためだったのかと、さつきは納得しながらも、疑問を投げつけた。
「いやな。お前、このまま出てったらもう確実に殺されるんだよ。
近くでは埋葬機関の代行者がうろついてるし。何処へ逃げても、この世界にいるかぎりお前は確実に殺される」
はっきりと断言されて、弓塚の背中に冷たいものが滑り落ちた。
「だから、シュバインオーグ氏の力を借りる。シュバインオーグ氏の力は教えてもらったか?」
「は、はい。世界旅行……って、まさか!?」
弓塚は驚愕の声を上げる。後ろでは、ゼルレッチがにやにや笑っていた。
「そうだ。お前を、無限にある平行世界の一つに飛ばしてもらう。で、だ。この人形は私からの選別でな」
「は、はあ……」
「この人形の肉体は、スペックを除けばほぼ人間のものだ」
「え!? もしかして、わたしの魂をそっちの人形に移すんですか!!? それって、わたしが人間に戻れ…………ませんよね……」
勢いこんでいたさつきだったが、途中からがっくりとしていった。
「ほう。そこまで解るか。しかも、魂の解釈まで出来てるときた。これは本当に優秀だな」
「ごまかさないで下さい! 吸血鬼は、一種の呪いの様なもので、魂に深く刻み込まれているせいで、肉体を取り替えても取り替えた肉体が吸血鬼のものになってしまうハズです!」
そう、自分が吸血鬼になったときの様に。と、さつきは拳を握りしめた。
「ああそうだ。だから、わたしでも八年が限度だった」
「……はい?」
「呪いを誤魔化せる期間だよ。この人形の肉体の、普通の人間と違うところはそのポテンシャルだけだ。
新しい世界へ行っても不老で気味悪がられては困るだろう? 吸血鬼が太陽の光を浴びれないのは、時間経過による肉体の崩壊を促進させるからだから、これで太陽の光も大丈夫。肉体の崩壊自体が起こらないから、血も飲まなくていい。流水は、吸血鬼に対する概念武装の様なものだから、それも問題無い。
だが、さっきお前自身が言った通り、この肉体はだんだんと吸血鬼の肉体に近づいていく。呪いは誤魔化しているだけだから、完全には無理なんだ。で、完全に今の状態に戻るのが、八年後、この肉体が今のお前の肉体年齢に追いついた時だ。今の状態から更に成長させるより、もう既に起こった事象を再現する方が楽だからそうした。
ポテンシャルがそのままなのもそこらに原因があってな。吸血鬼化するときに筋肉や血管の強度が変わるだろうから最初からそれにしといた。肉体を作り変える時にまた血が必要になったら本末転倒だからな」
さつきは途中から、橙子の言葉を呆然となって聞いていたが、だんだんと目が潤んできて、終いには泣きながら橙子に抱きついた。
「え、ちょ、ちょっと弓塚!?」
まさか泣かれるとは思ってなかった橙子はうろたえる。
その姿はまるで、娘に泣きつかれる母の様で。他の三人は、その姿を暖かい目で見守っていた。
ちなみに。橙子の説明を聞いたゼルレッチ達の会話。
「『伽藍の堂』の人形《モビルスーツ》は化け物か!」
「何ですかそれ?」
「いや、とある平行世界でな。ロボットの中で寝たことがあるのだが、気が付いたらその中にもう一人いてな。そいつが叫んでた言葉じゃ」
「はあ……」
閑話休題《それはともかく》
「おい、落ち着いたか?」
「は、はい……。すいません」
数分後、ようやく落ち着いて来たさつきは顔を赤らめながら俯いていた。
「全く。で、確認するが、いいんだな?」
「へ? 何がですか?」
「お前の肉体を取り替えr「お願いします!」……」
ソッコーで答えが返ってきた。
「……あと、平行世界へ飛ぶことだ」
「?」
橙子がやや呆れながら続けるが、さつきは何故、そんなことを自分に聞くのかわからない。という顔をしている。
そこに、ゼルレッチが説明をする。
「弓塚。お前、平行世界へ行くという意味を、理解しておるか?」
「え、はい。この世界と、違う道を歩んだ別世界に行くってことでs「そして、もう二度と帰って来れないということでもある」!!」
その言葉に、さつきは体を強張らせた。
「好きな時にこっちに戻ってこれるとでも思っとったか? 確かに、ワシがいれば出来るじゃろう。だが、ワシがそこまで面倒を見るとでも?」
確かにそうだ。何故気が付かなかったのか。最近はあちこちの世界を渡り歩くアニメが多かったから、忘れていたとでも言うのか。この世界から出て行ったら、ほぼ確実に、もうこの世界には帰って来れなくなる。そして、それは……
(遠野くん……)
暗くなるさつき。そんなさつきに、ゼルレッチは言葉を続ける。
「世界はいつだって、『こんなはずz」
「「「「うわあああああああ!!!」」」」
「な、なんじゃ? 人がせっかくきめようとしとったのに」
「い、いや、何か……」(幹也)
「止めないといけないって強迫観念じみたものが……」(さつき)
「何だったんだ?今の……」(式)
「何か、あのまま続けさせるととんでもない矛盾が起こりそうだった……」(橙子)
閑話休題《それはt(ry》
今の状態のままでも、それは同じことだ。さつきは決心した。
「はい。覚悟は、出来ています。構いません。わたしを、平行世界へ連れて行ってください」
その顔を見て、橙子もゼルレッチも、安心したようであった。
「さて、では始めるか。さつき。お前には平行世界へ飛ぶ前に、やってもらわなければならない仕事が一つある」
「はい。何でしょう」
「お前を追ってきた代行者、この当たりをうろついてるんだよ。
このままお前が消えてしまうと、いずれここを見つけられる可能性がある。そいつを何とかしてくれ」
「あ、はい。じゃあ、今から倒して来ます」
バコンッ!
そう言ったさつきの頭を、橙子が殴った。
「馬鹿かお前は! そうなったら、また新しい代行者がここに来るだけだろうが!!
大体、今お前を追ってきてるのは『弓』だ。お前が勝てる相手じゃない」
断言した橙子に、さつきは頭を抑えながら訪ねる。
「は、はい……。でも、じゃあ、どうすればいいんですか?」
「その代行者を、今から指定する場所におびき出してもらえばいい。何。お前の姿を見せて、あとはそこへ全力で逃げればいいだけさ」
そして、一時間と少し後。
町を歩いていたさつきは、背後からの殺気に気が付いた。間違い無い。急いで裏路地へ向かう。
あとは、言われた通り目的地へ全力で走るだけ。
数分後。
「だけって言ってたのにーーーーー!」
さつきは、観布子市の外に出ていた。
その間、後ろから飛んでくるナイフや剣を避けながら。
「ひぃーーー!」
しかも、そのナイフや剣の、一つ一つの威力が、簡単にコンクリに突き刺さるぐらいなのだからたまらない。
更に、それが信じられない量で飛んでくる。
(貴方ホントに腕二本ですよね!?)
しかも、距離が全然開いてる気がしない。
後ろを振り返りたい衝動に駆られながらも、そんなことをしていたら串刺しになるので、とにかく自分のカンを頼りに剣を避け続ける。
……と、言うのは嘘だ。別れ際、橙子がさつきに『お守りみたいなものだ』と、手のひら大の、変な模様が描いてある石を持たせたのだ。魔術を知ったさつきは、それが高度な魔術だということは解ったが、どういうものかは解らなかったため、ありがたくもらっておいたのだ。
「橙子さん、絶対こうなること知ってたでしょー!」
まあ、その石のお陰で後ろから飛んでくる凶器の位置が解るのだから、一応感謝はしておくが、やはり不満は残る。
と、さつきの背筋にぞくりと冷たい物が走り、急いで身体を捻ると、さっきまで身体があった場所を剣が通り過ぎて行った。
「もーいやーー!」
さつきは、ようやく目的地の森にたどり着いた。森の中では式が立っており、さつきは助かったという面持ちで式に駆けていった。
と、式が顔を上げると、そこにあるのは蒼い相貌。手にはいつの間にやらナイフが握られており、
(…………え?)
一息でさつきの元に駆けてくると、さつきの身体は一瞬でバラバラになった。
薄れゆく意識の中。さつきは、
(何で……?)
ただ、泣きそうになりながら、思った。
「……う……ん」
意識が戻ってくる。
(あれ? でも何で? わたしは式さんにバラバラにされて……)
「やあ、起きた?」
「み、幹也さん!?」
「しっ! あんまり大きな声を出すな。一応結界は張ってあるが、気づかれでもしたらどうする」
橙子の言葉で、さつきはピーンと来た。自分の姿を見ると、それは9歳児のもの。しかも裸体。
「……橙子さん? わたし今、ものっすごくあなたを殴りたいです」
「あまり魅力的なお誘いじゃないな。ほれ、服着ろ」
橙子が、さつきが持っていた制服に似せた服を放る。それは見事、さつきの顔面に掛かった。人形作りの息抜きに作ったらしい。恐るべし。
「しかしまあ、肉体のみを完全に『殺す』とは、流石だな式も」
「やっぱりそーゆーことですかっ!!」
「ああ、あの代行者なら気にしないでいいぞ。式が、『いきなり吸血鬼が飛びかかってきたから切っといた』的なこと言ってうやむやにするから。
お前の身体が切られる瞬間は見られただろうし、どうゆうからくりだったかは解らないぐらいの距離だったから、多分大丈夫だ」
「………」
さつきはもう、完全に諦めて服を着る作業に戻った。
数十分後。式がやってきた。
「時間掛かったな。式」
その橙子の言葉に、
「こっちも色々大変だったんだ。一体どうやったのかとか、敵意たっぷりに問い詰められて。
お前、向こうから見てただろ? って言っても、それでも信じられません! なんて」
「まあ、上手くいったんだからよしとしようじゃないか。では、シュバインオーグ氏、頼む」
半ば強引に話を断ち切る橙子。もう、確信犯に間違い無い。
「うむ。では、蒼崎。それと皆。こちらを見ないでもらえるかな?」
「了解した」
橙子は当然のように、幹也と式はそれにならって、さつきは魔術について聞いていたので、ためらわず後ろを向いた。
位置関係は自ずと、最前列に橙子、式、幹也。その後ろにさつき、その後ろにゼルレッチとなった。
よって、別れの言葉は、弓塚が背中に、他の三人は自分たちの後ろにかける形になった。
「橙子さん」
「ん?」
「色々と文句も沢山ありますが、これだけ言わせてもらいます。ありがとうございました」
「ん。確かに受け取った」
「式さん」
「何だ?」
「……頑張ってください」
「………ふん」
「幹也さん」
「うん?」
「もう少し、式さんを見てあげてくださいね」
「え?」
「さつき……お前、今度会ったら絶対殺す」
「アハハハハ……」
頃合いを見計らって、ゼルレッチが声をかける。
「もう、いいかな?」
「あ、あと、ゼルレッチさん」
「ん?」
「短い間でしたけど、ありがとうございました。先生」
ゼルレッチは、暫くポカーンとしていたが、
「はっはっはっは! 先生と来たか。流石にそれは予想外じゃったわい!」
ゼルレッチは大笑いした。さつきも釣られて笑った。
暫く笑い合った後、
「では、行くぞ」
「はい。幹也さん、式さん、橙子さん、ゼルレッチさん、さようなら」
「元気でね」
「おう」
「ああ、お陰で良い仕事が出来た」
「達者でな」
それぞれにそれぞれの言葉を贈られ、弓塚さつきは、その世界から姿を消した。
「あのような乾いた心を、潤す世界に、巡り会えるといいの……」
ゼルレッチは一人、ぽつりと呟いた。
p.s.
「行ったぞ」
「行ったな」
「ふう。これですっきりした」
「そういえばゼルレッチさん、さつきさんが行った世界って、どんな世界なんですか?」
「ランダムじゃ」
「……はい?」
ゼルレッチの言葉に、幹也の目は丸くなる。
「その方が、面白かろう?」
「……それって、うっかり宇宙とかに放り出される心配は?」
「……あっ」
遠坂家のうっかりの呪い、あれはもしかしたら、そんな生やさしいものではないのかも知れない。
p.s.2
「おい、これは本当なのか?」
「ああ、もう殆ど間違いないじゃろ」
「……一番非常識なのは、これだな」
「ああ、半分はちゃんと魔術を使ってるが、残りの半分が……」
「「力業で押し切ってるだけとは……」」
「だが、まあ、この魔術もきちんと最後まで作れば、力業使わんくても出来るだろう」
「たぶんな。まあ、ワシはいらん。研究するなら好きにするがいい」
「うーん、式がまた腕を無くしたら考えてみるか」
あとがき
どうも。やっと飛び立ちましたさっちん。長かった……
すいません。謝ります。ですからみんな、石を投げないで。 m(_ _)m
えー、式キャラ崩壊、橙子さんはっちゃけすぎ、ご都合主義満載と、ヒドイ回ですはいすいません。
ホントは発現まで6ヶ月かかるハズのあれを、宝石爺の協力で3週間でやっちゃいました。イタイイタイ。マジでごめんなさい。
爺が宝石剣抜いたの何で? っていう人、それはゼル爺の魔力も周囲の魔力も吸い取られちゃったから、まだ魔力のある空間から持ってくるしか大威力魔術打つ手がなかったからです。
でも、宝石爺は僕の中ではああいうキャラなんです。それは本当です。気に入らないってだけで朱い月に反抗した人のはっちゃけっぷりは半端無いんですはい。
そしてプロローグ、それは本編の伏線、ご都合主義設定、独自解釈説明をやるためn(銃声
さて、第0話_bの後書きでも書きましたが、aの方とbの方で時間の流れが変かも知れません。
月姫の中には、詳しい年月日は出なかったと記憶していますが、そこら辺が詳しく解る人は、遠慮無く指摘して下さい。
矛盾点も、同様にお願いします。宝石爺の口調も、これ変! って感じでしたら、指摘お願いします。
実は、第0話_b、結構修正されてます。今回のを読んで、あれ? とか思った人、確認してみて下さい。
てか、誰でも楽しめる(ryとか言っておきながら、式の容姿どころか性別までまともに書いてなかった罠 orz
それと、これも第0話_bの後書きで書きましたが、うちの学校、インフルで1.2年生全員学級閉鎖になりました。ってかなってました。
皆さんも、インフル気をつけて下さい。ではまた。