2008年01月05日

字幕放送普及の立役者 富士通ゼネラル


memory unit2.jpg今日の字幕放送の隆盛を招いた立役者はいろいろだが、富士通ゼネラルの吉川社長を忘れることが出来ない。

年末に、新しい地デジの設置をしている時に、富士通ゼネラルの文字放送テレビのメモリーユニットが出てきた。

日本では字幕放送は文字多重放送の1チャンネル#999で放送されていた。まだ続いているが、事実上機能しているのは字幕放送だけだ。

この文字放送テレビのメーカーが富士通ゼネラルだ。今はもうないがテレビ意外にも冷蔵庫や洗濯機などの白物家電メーカーだった。
文字放送受信回路はコストが高く、なかなか売れない。他のメーカーが製造中止する中富士通ゼネラルが製造を続けていた。


memoryunit.jpgこのテレビの製造の意義を強調していたのが当時の吉川志郎社長だ。

後でもう少し補足したい。
---------------------
1993年大阪で開いた第3回「聴覚障害者の文字情報−字幕放送」シンポジウムに、吉川社長がメーカーの立場で受信機の仕組みやコストの説明をして頂き、普及にご尽力頂けるようなお話があったと記憶している。
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/rekisi/rekisi.html

当時、欧米でテレテキストといわれる文字放送が普及していて、富士通ゼネラルはテレビを輸出していたのかも知れない。1990年代にドイツに出張した際に、ホテルのテレビにテレテキストの画面を撮って来た写真がどこかにある。
日本にも普及させたいと思われたのではないか。


ラビット 記

 

この記事へのトラックバックURL

http://blogs.dion.ne.jp/rabit/tb.cgi/6658877
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※半角英数字のみのトラックバックは受信されません。
この記事へのコメント
富士通が字幕レコーダーの生産を中止したのはいつだったでしょうか。今でも古いビデオに残っていますが、字体として読みやすく最高だったと思います。その後で使ったパナソニックのものはどうも汚く、英字も出すための折衷としてああいうものになったと聞きました。英語学習用に吹き替えビデオで英語がクローズドで出るビデオがあり、それを意識したものですが、こういうのは今でも利用されてるんでしょうか。007シリーズなどがあり、銃声に"bang!"と出たので、本来聴覚障害者用のものとわかりました。今のデジタルの字形はほぼ活字のそれです。
Posted by jsds001 at 2008年01月06日 08:54
jsds001さん、コメントをありがとうございました。

文字放送チップに内蔵されているフォントによって、見やすさが違いましたね。松下など明朝体になってから見にくくなりました。アイドラゴンが字幕放送機能を付ける時に明朝体は止めるように提言したことがあります。

富士通ゼネラルの外付け文字放送デコーダーのことは、横田さんがご存知ではないでしょうか。

アメリカにテレビの字幕放送デコーダーを輸出していたのは三洋電機製でした。三洋電機の米国駐在の方を通じて、ボストンのキャプションセンターの方に会ったことがあります。
Posted by ラビット at 2008年01月06日 09:35
デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送の在り方に関する研究会の報告書43Pには、生放送の字幕放送の誤記、誤字について、以下のような記述がある。

「なお、放送法第4 条では、放送事業者は真実でないことを放送した場合に、
訂正放送の義務が規定されている。不特定多数の人を対象にしている放送での
間違いは社会的影響が大きく、特に正確さを求められるニュース番組へのリア
ルタイム字幕制作については十分な検証が必要といえる。」
http://maroon.way-nifty.com/welfare/files/digital_jimaku_housou_shishin.pdf
Posted by ラビット at 2008年01月06日 16:39
国会図書館でデコーダーについての米議会の文献を見つけて、読んでいたらSanyoの名が出てきて驚いたことがありました。ソニーなどと違って海外活動はあまり聞いていなかったので。米のデコーダー法で13インチ以上の受像機にデコーダー内蔵が義務付けされ、米での受像機はほとんど日本製だったので日本企業が困ったが、技術開発で数ドルでチップができるようになって解決したと聞いていますが、その先頭が三洋だったのでしょうか? 日本語の場合漢字変換があるので数ドルではすまないでしょうが、目下はどのくらいのコストなのでしょうか? デジタルの場合もデコーダーの機能は同じなんですか? テレビといえば字幕も見られるのが普通になると、複雑な気もします。
Posted by jsds001 at 2008年01月07日 13:51
米のCCが安く済んだのは、「見ているチャンネル番号をブラウン管に表示する」機能をちょっと流用するだけで良かったのが大きいです。製造技術面と運用面の折り合いを低コスト方向で付けた成功例といえそうです。台車にモーターを付ければ荷物を楽に運べるという考えです。
日本は運用面で欲張りすぎて、キャデラック並みになってしまったとも揶揄されてます。
そのうちに製造技術も向上してキャデラックを乗用車なみに改良・値下げできるようになったあたりでテレビのデジタル化に便乗して番組表示機能を装備させるのを口実に字幕放送もやっと標準搭載となったようです。
アナログ信号の抽出分離処理が省け、デジタル波を(組み込み)ソフトウェアで一括処理できるようになり、コストはデータ放送を蓄積するメモリ容量と、データ放送を迅速に表示するためのCPUの処理速度の差くらいになっているようです。(カーナビ向けのデジタルチューナでデータ放送を表示させると、省電力のためCPUの処理速度を抑えているぶん、情報表示の切り替えに少しもたつくような印象があります)

字幕データがデータ放送のパケットに移されるといった説明は、関係者に直接確認(ツッコミとも言う。たぶん、一般人の技術レベルに合わせて言い換えた時点で少し意味合いが揺れたのかも。技術肌の人に対してならまた説明を変えるはず)しないと何とも言えませんが、既存デジタルテレビとの互換性を考えると、新しい規格の字幕データを並行して放送、というのはありえるかもしれません。リアルタイムに適した新しい形式ということなら歓迎です。受信機に組み込まれているプログラムの自動更新も標準搭載のようですので、今買ってもムダにはなりにくいでしょう。
これはアナログ波でリアルタイム字幕放送を実施した際、一部の製品で表示が追いつかず、メーカーが回収したという話からも、教訓になったのでしょうね。(このメーカーってどこのなのかな?)

実際、コストが殆ど掛からなくなってるのはオークション市場などで出回っている1seg受信機などを見ても明らかです。
Posted by 横田 at 2008年01月07日 15:53
横田さん、ご説明をありがとうございました。

アナログのテレビ放送に重畳された文字放送の字幕データをデジタル放送に変換する仕組みはサイマル放送時代のもので、デジタル放送だけになればデータ放送として実施されると文字放送機器メーカーの人が言っていました。

私に分かるように話してくれたようですが、詳しく知りたいと思います。そうなれば、字幕の位置やフォントの種類、大きさも変えらるのか、字幕遅延回路の実現のみ通しもあるのか。

解説放送を5.1チャンネルサラウンドの他に確保するとなると放送局の設備も受信機も替えなくてはならないと聞いています。5.1チャンネルの一部を解説放送にすることが出来るのかどうか。ステレオ放送の片チャンネルを解説放送にすることを拒んだ放送事業者が5.1チャンネルの一部を解説放送にする気があるのだろうか。

デジタル放送は、バリアフリーを考えて設計していないということが今の隘路の原因です。
Posted by ラビット at 2008年01月08日 06:46


 
※半角英数字のみのコメントは投稿できません。