北朝鮮砲撃:見舞金支給めぐり一部島民が反発
「実際に延坪島に住んでいるのに、われわれは何なのか」
先月30日午前、延坪島の住民らが避難生活を送っている仁川市内のチムジルバン(サウナ主体の韓国式健康ランド)前。住民らが移動式の現金自動預け払い機(ATM)の周りに集まり、通帳の記帳内容を確認していた。「やっと100万ウォン(約7万2200円)が入った」
仁川市甕津郡は27日から、砲撃の被害を受けた住民らの見舞金受給申請をチムジルバン内で受け付け、1167人のうち622人に対し見舞金を支給した。小学生以下は一人当たり50万ウォン(約3万6100円)、中学生以上は同100万ウォン、総額5億9150万ウォン(約4270万円)が支給された。住民登録上の住所が延坪島で、かつ実際に島に居住する住民だけが支給対象となった。
10月31日現在、延坪島に住民登録がある住民は1756人で、実際の居住者は1361人。郡庁の関係者は、「チムジルバン以外の場所に避難している住民は、まだ見舞金の受給申請をしていない。書類不備などにより受給できなかった住民には、早急に支給する予定」と語った。
問題は、住民登録を延坪島に移していない住民たちだ。延坪島で操業を続けてきたムン・ソンミンさん(35)は、「仁川に住民登録をしているが、昨年4月から延坪島に家を構え、車も購入して延坪島の住民として暮らしてきた。それなのに、われわれはだめなのか」と話した。島の喫茶店に2年ほど勤めているイさん(54)は、「仁川に家があってソウルに通勤する場合、住民登録をソウルに移さなければならないのか。生計支援のために支給される見舞金なのに、われわれのような住民は、実際に砲弾を受けなければ支給対象にならないのか」と声を荒げた。
延坪住民非常対策委員会は、「仁川-延坪島間の船の乗船料は、一般が4万4400ウォン(約3200円)、延坪島民は5000ウォン(約360円)。こんなに差があるのだから、延坪島に住んでいるのなら、住民登録を移さずに損をするようなことはしないだろう」との立場だ。これに対し、延坪島に住んで20年になるという船長のキム・ギルスさん(51)は、「自分の船で行き来しているのだから、乗船割引は必要ない(住民票を移す理由にはならない)」と語った。
チェ・ソンイル委員長は、「住民登録だけしていても支給対象にはならない。年間3回以上、延坪島への出入航記録がある人だけが対象」と語った。見舞金を支給した甕津郡も、「支給基準は非常対策委員会が協議して決めたこと。30日以上居住しながら住民登録を移していないのは、住民登録法に違反している」と話した。
仁川=朴国熙(パク・ククヒ)記者
キム・チュンリョン記者