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【北朝鮮砲撃】余裕?金父子、戦争扇動の中でコンサートへ (1/2ページ)
このニュースのトピックス:金正日総書記
【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮は延坪島砲撃の後、「戦争前夜」「情勢は爆発直前」「一触即発の超緊張状態」などと連日、緊張感をあおる一方で、金正日総書記(朝鮮人民軍最高司令官)が後継者の金正恩・党中央軍事委員会副委員長とそろって平壌でのコンサートに出かけるなど“余裕”を誇示している。
このように北朝鮮がことさら平静さを装っている背景についてソウルの北朝鮮専門家たちは「自分たちに動揺はないという“自信”を内外に印象付け、特に国民に安心感を与える意図がある」と分析している。
また砲撃後、韓国では世論に“報復論”が高まり、軍備増強など防衛体制強化が進めれているほか、米韓合同軍事演習が内外の関心を集めているため「軍事緊張の原因は米韓側にある」と思わせるための政治的演出との見方もある。
北朝鮮の報道機関は砲撃(11月23日)の後、金父子が平壌近郊のガラス工場とミネラルウオーター工場を視察し(25日)、金総書記が正恩氏を伴わずに平壌舞踊大学などを現地指導したこと(26日)を伝えた。
そして29日には朝鮮中央放送が、父子で「国立交響楽団の公演」を観覧したと報じたが、これには李英浩・朝鮮人民軍総参謀長ら軍幹部も同行している。観覧の日時は伝えないまま準戦時体制下での「コンサート観覧」という報道は“余裕”を演出するための政治的宣伝との見方が強い。