北朝鮮砲撃:李明博政権の新たな対北政策とは(下)
守備型から攻勢、封じ込め強化、世論統一
しかし、大統領府は新たな対北政策の基調を定めるには至っていない。関係者は「当面は延坪島に対する砲撃の件を収拾し、追加的な挑発を防ぐ態勢を取るのが先決だ」と述べた。大統領府高官は「今回の延坪島に対する砲撃は、過去の政権の北朝鮮に対する観念が誤っており、李明博政権の見方が正しいことを証明したものだ。北朝鮮は支援や協力で変化する集団ではないため、根本的な変化へと導くための戦略を立てていく」と語った。
大統領府関係者の発言を総合すると、今後の対北政策は「三大基調」に基づき、構築されていくとみられる。第一に、積極的な対北抑止力の確保が挙げられる。現在の守備型防衛ではなく、より攻勢的な対応が可能となる戦力配置へと転換する必要がある。北朝鮮への圧力が効果を発揮するには、挑発を撃退する準備が先に必要だという認識に基づく戦略だ。
第二に、北朝鮮に対する制裁の強化だ。大統領府高官は「これまでの李明博政権の対北政策が『緩やかな封じ込め』だったとすれば、今後はより封じ込めを強化することになるはずだ」と語った。これまでの制裁に加え、人道的支援も中断し、国際協力で北朝鮮への圧力を強化するとみられる。
最後に、李大統領が最も力を入れる対北政策は、韓国の内部を一つにまとめることで、具体的な政策はその次だ。政府高官は「北朝鮮が最も恐れるのは、韓国内部の声が一つになることだ。親北朝鮮勢力は再び『戦争か平和か』という宣伝戦に乗り出すとみられるが、それには『護国か北朝鮮追従か』という論理で明確に対応すべきだ」と指摘した。李大統領はそうした考えに基づき、近く政界幹部や専門家の意見を聴く場を設ける方針だ。一部には金正日(キム・ジョンイル)体制を崩壊させる「政権交代戦略」へと積極的に転換すべきとの声もあるが、大統領府は「まだそうした案を検討または政策化してはいない」と否定した。
権大烈(クォン・デヨル)記者