北朝鮮砲撃:中国高官の「無礼な来韓」
出発直前「韓国に行く」、到着直後「大統領に会わせろ」
27日に韓国を訪問し、28日に李明博(イ・ミョンバク)大統領と会談した中国の戴秉国・国務委員(外交担当)一行の行動が、外交関係者の間で批判を呼んでいる。
29日にソウルの外交消息筋が明らかにしたところによると、中国側は27日午後3時ごろ、突然「戴秉国国務委員を特使とする代表団が15分後に出発するから、ソウル空港を使えるようにしてほしい」と外交通商部に一方的に通知してきた。ソウル空港とは京畿道城南市にある空軍基地・軍用飛行場のことで、国家元首クラスの警護が必要な場合などに使用される。
戴国務委員一行は、ソウルに到着するやいなや正確な用件も知らせないまま、外交通商部を通じ、「きょう李大統領に会えるようにしてほしい」と要請してきたという。このため、韓国政府は「きょうは難しいため、ひとまず金星煥(キム・ソンファン)外交部長官に会い、(李大統領とは)あす(28日)会談できるようにする」と断った。ある外交消息筋は「このようなやり方で国家元首に会おうというのも、儀礼上、無理なことだ」と話す。
また、中国側は李大統領との会談を秘密にしてほしいと要請していたことも分かった。ある消息筋は「そう言いながら、大統領府に来た戴国務委員一行は、テレビのカメラマンをはじめ5人の取材団を連れていた。このため、大統領府も急きょメディアに取材を要請したと聞いている」と話す。中国側は当初、自分たちの韓国訪問自体を秘密にしてほしいといっていたが、これも韓国政府が「現在の状況で秘密外交は困る」と断った。
李大統領に会った戴国務委員は、始めの約1時間、韓中関係発展の歴史について語り、特に内容がない話を長々と続けたという。李大統領はこうした戴国務委員の言動にかなり気分を害したが、そうした中で6カ国協議の必要性について言及があったため、返答もしなかった。李大統領は中国の6カ国協議提案にあきれたのか、同席していた中国の武大偉・韓半島(朝鮮半島)問題特別代表を紹介されると、「いつ再開されるか分からないが、そのときまで体力を一生懸命鍛えておいてください」と述べたとのことだ。
外交関係者は「会談が終わると、戴国務委員は再び突然、『二人だけで話をさせてほしい』と李大統領をつかまえ、何かを伝えた。そのとき、(当日午後に中国政府が発表した)『重大宣言』を予告したかどうかは分からないが、そのときまで午後に何らかの見解を発表するという話は一言もなかった。一言で言えば、中国側特使団の行動は最初から最後まで、外交的に理解できない行動の連続だった」と評した。
権大烈(クォン・デヨル)記者