海老蔵不在をファン歓迎？…南座初日

　先月２５日早朝に殴られ、左ほお骨骨折などの大けがを負った歌舞伎俳優の市川海老蔵（３２）が出演予定だった「吉例顔見世興行　東西合同大歌舞伎」（２６日まで）が３０日、京都・南座でスタートした。

　海老蔵が降板した歌舞伎公演「吉例顔見世興行　東西合同大歌舞伎」が３０日、京都・南座で初日を迎えた。興行の前半分（〜１３日）はすでに完売し、この日は全１０７８席の満員御礼。海老蔵が演じる予定だった昼の部の第三「阿国歌舞伎夢華（おくにかぶきゆめのはなやぎ）」で大御所・片岡仁左衛門（６６）が代役を務めたことを喜ぶファンがいるなど、盛況な開幕となった。

　２９日に売り出された後半分も「前半同様の売れ行き」（南座宣伝）と好調だ。片岡仁左衛門が代役を務めたことで、昨年に続く坂東玉三郎（６０）との“孝玉コンビ”共演が実現。１０代から歌舞伎鑑賞しているという大阪市の女性（７９）は「仁左衛門さんが好きなのでよかった」と、海老蔵の不在をむしろ歓迎している口ぶりだった。

　もちろん「過去にもっととんでもない事件を起こした役者さんもいる。いろいろな経験をするのも大事。これを糧に大きくなられるといいと思う」（４０代女性）と擁護する声も聞かれたが、「海老蔵さんもすてきですよ。プライベートはどうかと思いますけど」（７０代女性）と厳しい声は少なくなく、復帰後の海老蔵がファンの信頼を回復するまでには相当な時間を要しそうだ。

　◆事故“眼中なし”　○…夜の部第一「外郎売（ういろううり）」で、海老蔵が演じるはずだった曽我五郎を代役した片岡愛之助（３８）はこの日入りの際、「お客様ががっかりしないよう頑張ります」と話した。同演目は、歌舞伎十八番の一つで、市川宗家の芸。それだけに、観劇した４０代女性は「なぜ覚えられたんだろうというくらい良かった。團十郎さん、海老蔵さんがなさるのと同じようになされて『愛之助が相勤めます』って」と、海老蔵のトラブルは頭の片隅にもないような興奮ぶりだった。

　

【関連記事】
海老蔵休演で「吉例顔見世興行」初日
海老蔵が南座降板！代役に仁左衛門…「吉例顔見世興行―」
海老蔵、南座公演を降板　代役に仁左衛門ら
海老蔵、顔見世興行を休演
歌舞伎俳優 、 市川海老蔵 、 顔見世興行 を調べる