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金嬉老事件:金嬉老元受刑者、遺骨里帰り 支援者とともに、静岡の母の墓前へ

 3月、81歳で死亡した「金嬉老事件」の金嬉老(キムヒロ)(本名・権禧老(クォンヒロ))元受刑者の支援者が遺骨とともに来日し29日、母親が眠る静岡県掛川市の墓をお参りした。金元受刑者は99年に仮釈放され、そのまま韓国・釜山に永住帰国。母親の墓参を切望していたという。

 来日したのは釜山の僧侶、朴三中(パクサムチュン)さん(78)。98年に死去した母親は生前、朴さんに「仮釈放を実現させ息子に会わせてほしい」と話していた。遺骨の入った骨つぼを手にした朴さんは墓前で「約束通り息子さんを連れてきました」と報告したという。

 在日韓国人2世だった金元受刑者は68年2月、静岡県清水市(現・静岡市)で暴力団関係者2人を射殺。その後、県内の寸又峡(すまたきょう)温泉の旅館に経営者や客らを人質に4日間立てこもり、現場に報道陣を入れて民族差別の不当性を訴えた。

 75年に最高裁で無期懲役が確定した。【平塚雄太、ソウル西脇真一】

毎日新聞 2010年11月30日 東京朝刊

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