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それはDV、気づいて 生理用品に被害相談先

2010年11月17日

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写真:DV被害の相談先などが記載された大王製紙の「ウルトラガード」。パッケージではなく個別包装に掲載され、男性の目に触れることはないDV被害の相談先などが記載された大王製紙の「ウルトラガード」。パッケージではなく個別包装に掲載され、男性の目に触れることはない

 大王製紙(本社・東京)が、生理用品の包装紙にドメスティックバイオレンス(DV)の被害相談先を掲載して販売する取り組みを始めた。女性だけが使う商品だからこそ男性に気づかれずに相談相手の存在をそっと伝えられる、という1人の元被害女性の思いを企業が受け止めた。

 対象は同社が発売する「ウルトラガード」シリーズのうち4種類の商品。内閣府が運営する相談ナビの電話番号を10月末から掲載し、「怖いと感じたら、それがDVです」と呼びかけている。男性の目には触れないように、外側のパッケージではなく、中の個別包装に載せた。

 きっかけは2年前、兵庫県の女性(48)から届いた手紙だった。女性は元夫の暴力的な言動に耐えられなくなり、9年前に家を出た。「パパのそばにいてあげたい」と残った長男が2003年3月、元夫に刺殺された。女性は殴られるなど直接的な暴力を受けなかったため、自分がDV被害を受けていると思わず、悩みを相談できなかった。

 自分が被害者だと悟ったのは、事件後、DV防止のシンポジウムに参加した時だ。「相手の言葉や態度に『怖い』と思ったらDVです」という説明に、自らの経験が重なった。手紙には「つらい思いをする人を1人でも少なくしたい」とつづられていた。

 大王製紙内では「商品のマイナスイメージになるかも」という慎重意見も出た。しかし、「企業の社会貢献になる。やってみるべきだ」と推す声が大きく、昨年12月に1カ月間、試験販売した。商品モニターからの反応は上々で、本格的な全国販売につなげたという。

 女性は店頭に並んだ商品を見て「涙をこらえるので必死だった」と話す。商品の販売は少なくとも2カ月間続く。同社の担当者は「消費者の声を聞きながら、今後もDV防止を後押ししたい」と言う。(染田屋竜太)

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