2010年11月30日21時32分
東京都や宮崎県などの図書館のコンピューターシステムから個人情報が流出し、愛知県では図書館のホームページがサイバー攻撃されたとして利用者が逮捕された問題で、システムを作成・管理する三菱電機インフォメーションシステムズ(東京)が30日に会見し、流出した個人情報は2971人分に上ると明らかにした。門脇三雄社長は「深く反省している」と陳謝した。
同社によると、ネットに流出した個人情報は、東京都中野区51人▽愛知県岡崎市159人▽宮崎県えびの市2761人。氏名や生年月日のほか、返却の遅れた本の書名を含むデータもあった。
同社は過去10年間、改良したシステムの試験を運用中の図書館コンピューター上でしていた。その結果を社内に持ち帰る際に個人情報も持ち出し、そのまま各地の図書館に導入していたという。
岡崎市のシステムを巡っては、新着図書情報を集める自作プログラムを使った利用者が5月、図書館ホームページに閲覧障害を引き起こしたとして業務妨害容疑で逮捕され、起訴猶予となった。門脇社長は閲覧障害の原因究明を怠ったことを認め、「対応が早ければ不快な思いをさせることはなかった」と謝罪した。
同社は社員の処分を検討し、図書館関連の事業は新規の営業を当面控えるとしている。(神田大介)