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都青少年条例改正案:著名漫画家ら反対表明

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の一部改正案反対の記者会見をする漫画家の(右から)秋本治氏、ちばてつや氏、やまさき十三氏、本そういち氏=東京都庁記者クラブで2010年11月29日午後4時57分、武市公孝撮影
「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の一部改正案反対の記者会見をする漫画家の(右から)秋本治氏、ちばてつや氏、やまさき十三氏、本そういち氏=東京都庁記者クラブで2010年11月29日午後4時57分、武市公孝撮影

 過激な性的表現を含む漫画などの18歳未満への販売を規制する東京都青少年健全育成条例の改正案に対し、ちばてつやさんら著名漫画家が29日、都庁で記者会見し「表現の自由を侵害する恐れが高い」との反対声明を出した。改正案は30日開会の都議会12月定例会に都が提案する予定で、可決される公算が大きい。

 改正案は6月定例会で否決された案を修正したもの。前回案では18歳未満として描かれた登場人物の性的行為を過度に描いた漫画やアニメを規制対象としていた。今回の案では年齢は問わず、刑罰法規に触れる性的行為を過度に描いた作品を不健全図書指定など規制の対象とした。

 ちばさんらが三つの漫画家団体を代表して出した反対声明は、改正案について「年齢規定がなくなったため前回案より規制範囲が拡大し要件もあいまい」と批判した。さらに「18歳未満とのみだらな性交を禁じた都条例なども刑罰法規に含まれるため、実際には前回案以上に登場人物の年齢が恣意(しい)的に判断される懸念がある」と指摘。改正案の販売規制は、対象の漫画を成人コーナーに陳列する内容だが「不健全図書に指定されるとコンビニエンスストアでの販売が事実上困難になる」と訴えた。

 人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者の秋本治さんは「自由度があるのが漫画の世界。子どもたちは良いことも悪いことも学ぶ。いいのか、どうなのかとなると萎縮してしまう」と話した。同席した日本雑誌協会の担当者は「出版物の自主規制はこの5年ほどで進んでおり、これ以上何をすればいいのかという段階だ」と強調した。【真野森作】

毎日新聞 2010年11月29日 21時38分(最終更新 11月29日 21時40分)

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