国会は29日、仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国土交通相の問責決議可決を受けて、来年1月召集の通常国会をにらみ、与野党が攻防を繰り広げた。自民、公明両党は同日、問責を受けた閣僚が出席する本会議や委員会に応じない方針を確認。政府・民主党は首脳会議で、全閣僚出席が原則の党首討論開催に応じることを決めたが、野党側は仙谷長官らの出席を拒否し、対決姿勢を強めた。
与野党は29日午後、衆参両院国家基本政策委員会の合同幹事会を開き、12月1日の党首討論開催について協議した。この中で、与党側が仙谷長官と馬淵国交相を出席させる方針を示したのに対し、自民、公明、みんなの野党3党は「問責決議の重みを考慮して出席は遠慮すべきだ」と主張。双方の意見は平行線をたどり、30日に改めて協議することになった。
29日午後に開かれた北朝鮮情勢に関する与野党党首会談でも、野党側は仙谷長官の同席を認めないと強硬姿勢を貫いた。結局、仙谷長官は同席せず、党首会談は午後1時からの予定が約3時間半遅れて始まった。
野党側が「問責閣僚」の出席を徹底拒否していることに対し、民主党内では来年の通常国会での予算審議などが滞ることを懸念する声も強まっている。同党には「このままでは通常国会は乗り切れない」(閣僚経験者)と、内閣改造で局面打開すべきだとの意見も浮上している。
[時事通信社]