「ウィキリークス」で公表されたアメリカの外交当局の文書について、各国のメディアは大きなスキャンダルとして内容をこぞって報じていますが、文書に記されていた各国政府は、事態を静観する姿勢を強調しています。
このうち、イランのアフマディネジャド大統領は、公表された文書でサウジアラビアなど近隣のアラブ諸国がアメリカに対してイランの核開発を阻止するために軍事攻撃も必要だと求めたと記されていることについて、記者会見で「文書は法的な価値がなく、こうしたいたずらのようなことで各国との関係に影響を及ぼすことはない」と述べ、静観する構えを示しました。ただ、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は29日、テルアビブで記者会見し、「イスラエルと周辺諸国の間で、史上初めてイランこそが脅威だという共通の理解が生まれた」と述べ、文書の内容を歓迎する考えを示しています。一方、文書で首脳を酷評されるなどしていた各国の政府は、関心がないという姿勢を強調しています。イタリアのベルルスコーニ首相は「無能でからっぽであり、現代ヨーロッパのリーダーとして失格だ」と指摘されていましたが、「幹部ではない外交官が言ったことに興味はない」と一蹴しました。また、ロシアのメドベージェフ大統領とプーチン首相は、映画のキャラクターになぞらえて「主人公はプーチン首相で大統領は相棒役だ」などと指摘されていました。これについてロシア政府の報道官は「コメントに値しない」と述べました。