声を聴いただけで、おなじみとなった口元のひげ、ベレー帽姿が浮かんでくる。渡部氏は言葉に抑揚をつけ、ゆっくり、ゆっくりとマイクに語りかけた。
「実は…ですね、ラジオで…話して…、みたかったんです。ワタシで…いいのかな…、という思いは…、正直なところあります。(時間の)尺を気をつけなくちゃ…」
初収録の直前、渡部氏はサンケイスポーツの取材にハニかんだ。戦場カメラマンという過酷な仕事の傍ら、対照的なキャラクターで大ブレーク。自身初のレギュラー冠番組は、意外にもラジオDJだった。
渡部氏は高校卒業後、2年間の浪人生活を送っており、ラジオとは浅からぬ縁があった。「受験生にとって…、ラジオが唯一、勉強をしながら情報を得る…手段なんですね」。取材で戦場に出向く際にも、必ず携帯型ラジオを持ち歩く。現地の電波をキャッチしてニュースや音楽番組に耳を傾けているといい、「ワタシは、ラジオ小僧…なんです」と明かした。
同番組では自身の経験を生かし、受験生に熱いメッセージを送る。「わかり…やすく、正確に伝えられるよう…、頑張りたい…ですね」と意気込んでいるが、放送時間はわずか5分間。「ボクは…、喋るのが…とてもゆっくりなので、質問のメールは、ツイッターと同じ…140文字以内でお寄せ下さい」と付け加えることも忘れなかった。
独特の語り口は放送事故寸前!? 世界情勢によっては急きょ、戦場へ飛び出しちゃう可能性も。関係者は「われわれもどうなるか分かりません」とハラハラドキドキ。果たして渡部さん、無事に…、完走…、できるの…でしょうか。