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【神奈川】

線路さび 茂る雑草 厚木基地引き込み線 

2010年11月28日

雑草が生い茂る厚木基地の引き込み線=大和市で

写真

 さびだらけの線路。周辺には雑草が茂り、ごみも散らかる。踏切で止まる車もない。

 軌道は綾瀬市蓼川で、米海軍厚木基地のフェンスに突き当たる。米海軍の航空機燃料専用の輸送引き込み線。通称「航空隊線」で、もともとは、第二次大戦中、旧日本軍用に開通したとみられる。

 運行を請け負っていた相模鉄道によると、一九九八年を最後に列車は走っていない。基地の中の線路は数年前に撤去された。

 「昔は午前十時と午後三時ごろ、輸送列車が通っていた」。線路沿いで約四十年間暮らす主婦徳石栄子さん(74)は「使っていないなら撤去してほしい。せめて線路の反対側に行ける道を通して」。ささやかな望みを口にした。

 沿線は数カ所、防護柵が崩れている。人が横切っているようだ。大和市の防犯ボランティアの男性(68)は「『横切る道をつくって』と国に正面から要望してもダメ。“壊れてしまった”なら、誰も何も言わない」とささやく。

 廃線状態の線路がいまなお現存する理由を米軍や防衛省に聞いても、はっきりしない。

 「有事の時には使うのかな」。男性は不安を漏らした。 (藤浪繁雄)

 

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