ア大会:善戦相次いだ韓国勢、世界陸上でも通用するか

 「ブタもおだてりゃ木に登る」という言葉があるが、アスリートたちを有頂天にさせるのが国際大会にほかならない。来年8月27日に開幕する大邱世界陸上選手権まで残すところ271日。そういった面で、広州アジア大会は韓国陸上界にとって模擬試験だった。

 韓国陸上は今大会で、1986年のソウル・アジア大会以降、最高の成績を挙げた。走り幅跳びではキム・ドクヒョンと鄭順玉(チョン・スンオク)、女子100メートル障害ではイ・ヨンギョン、男子マラソンではチ・ヨンジュンがそれぞれ優勝した。ほかにも銀メダル3個、銅メダル3個を獲得した。

 韓国陸上にとって、世界陸上がルネサンスの出発点となるのかどうか不透明な中、希望が生まれたのは、昨年2月にオ・ドンジン会長体制がスタートし、改革が始まったからだ。

 昨年5月に各種目で外国人コーチが招聘(しょうへい)され、海外合宿も増えた。そうした中、昨年8月のベルリン世界陸上で誰一人として決勝戦に進むことができず、陸上界の安易な姿勢が変わり始めた。

 とはいえ、韓国陸上が劇的に飛躍し、世界との差を縮めたわけではない。走り幅跳びのキム・ドクヒョンと鄭順玉も、自己ベストを更新しなければメダルを狙えない。

 女子100メートル障害のイ・ヨンギョンもまだ、一流とは程遠い位置にいる。キム・グクヨンは今年6月、韓国国内大会の100メートルで10秒23をマークし、30年ぶりに韓国記録を更新したが、アジア大会では10秒50と後退し、決勝にすら進めなかった。

 記録に劣らず、観客の注目が集まる国際大会で経験を積み、度胸をつけるのも重要だ。そういった意味では、アジア大会最終日の男子マラソンで優勝したチ・ヨンジュンの復活は大きな意義を持つ。

 今大会でのマラソン優勝は、釜山アジア大会の李鳳柱(イ・ボンジュ)以来8年ぶりだ。2006年のドーハ大会ではノーメダルだった。

 チ・ヨンジュンは、コーロンの鄭奉守(チョン・ボンス)監督が発掘した。チ・ヨンジュンは、「ポスト李鳳柱」との呼び声が高かったが、これまで才能を開花できず、精彩を欠いた。チ・ヨンジュンは「国際大会での成績がよくなかったため必死に準備した。来年8月の大邱世界陸上で金メダルを獲得できるよう、練習に励みたい」と話した。しかし、課題もある。

 世界大会では序盤からハイペースになるため、さらにタイムを縮めなければならない。さらに、国内にライバルがいない点も、解決すべき課題だ。

キム・ドンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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