朝鮮半島西側の黄海では、アメリカと韓国の合同軍事演習が2日目を迎え、北朝鮮から攻撃を受けたという想定で本格的な訓練が行われます。一方、韓国のイ・ミョンバク大統領は、29日午前、特別談話を発表して、北朝鮮のさらなる挑発に対しては断固とした対応を取る考えを重ねて表明することにしています。
アメリカの原子力空母「ジョージ・ワシントン」も参加して朝鮮半島西側の黄海で始まった米韓の合同軍事演習は、2日目の29日、海上の境界線を越えて南下してきた北朝鮮の艦船が攻撃を仕掛けてきたという想定で、空と海から反撃する本格的な訓練が行われる予定です。今回の演習について、北朝鮮は、軍事的な対抗措置も辞さないと強く反発しており、砲撃を受けたヨンピョン島では、28日、韓国国防省が報道関係者に対し、安全を保証できないとして島を離れるよう要請しました。一方、イ・ミョンバク大統領は、29日午前10時に国民向けの特別談話を発表して、今回の砲撃について、「韓国の領土に対する軍事的な挑発で、民間人を狙った非人道的な攻撃だ」などと非難することにしています。そのうえで、北朝鮮による新たな挑発行為に対しては、断固とした対応を取る考えを重ねて表明する方針です。イ・ミョンバク大統領は、28日、ソウルで中国の戴秉国国務委員と会談した際、中国側から6か国協議の首席代表会合を来月上旬に開きたいとする提案を受けましたが、「6か国協議再開の問題を論議するときではない」と述べ、消極的な姿勢を崩しませんでした。