東京地検、元野村証の中国人社員らをインサイダーで逮捕
[東京 22日 ロイター] 共同通信によると、東京地検特捜部は22日、株式交換情報などを入手してインサイダー取引をしたとして、容疑事実の当時に野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の野村証券社員だった中国人の容疑者(30)ら3人を証券取引法(現金融商品取引法)違反容疑で逮捕した。
また、関係者によると、証券取引等監視委員会は同日、3人の自宅など関係先の強制調査に入り、野村証券に任意の事情聴取を行った。野村社員だった中国人容疑者は、証券監視委の調査に容疑を大筋で認めた。野村証券は22日に中国人の容疑者を解雇した。
関係者によると、東京地検が逮捕したのは、野村証券社員だったリーユ容疑者(30)のほか、その知人のソシュンコウ容疑者(37)、ソシュンセイ容疑者(25)ら3人。リーユ容疑者とソシュンコウ容疑者は同期間に京都大学に留学しており、ソシュンコウ容疑者とソシュンセイ容疑者は兄弟。
リーユ容疑者は、京都大を2002年に卒業後、野村証券に2006年2月に入社。M&A(買収・合併)やTOB(株式公開化付け)を手掛ける企業情報部に所属し、2007月12月から香港に転勤していた。
証券監視委の調査容疑は、企業情報部でアドバイザー契約を結んでいた富士通デバイスのインサイダー取引。リーユ容疑者は、富士通(6702.T: 株価, ニュース, レポート)が株式交換で完全子会社化することを発表日(2007年5月24日)より前の4月20日ごろに知り、3人で共謀して、5月8日から24日までの間、富士通デバイス株7000株を1170万円で買い付けて6月15日に全株を売却し、約500万円の利益を得た。
証券監視委は、3人が富士通デバイスのほか20銘柄についても、2006年6月から2007年末までにインサイダー取引を繰り返し、5000万円弱の利益を得た疑いを持って調査を進めている。リーユ容疑者は香港に転勤する直前まで、インサイダー取引を実施していたとみている。証券監視委は3人の容疑事実を固め、刑事告発する方針。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)
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