【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は28日、ユーロ圏16カ国による緊急の財務相会合を開き、アイルランドへの金融支援を承認する。支援額は、国際通貨基金(IMF)と共同で850億ユーロ(約9兆4000億円)前後の見通し。アイルランドの信用不安がポルトガルやスペインなど周辺国に広がるなか、週明け29日の金融市場が開く前にユーロ防衛への強い決意を示す狙いだ。
ダブリンで開いていたアイルランド支援を巡るEU・IMFと同国政府の実務者協議は28日までに大筋合意に達した。これを受けてEUはユーロ圏財務相会合で金利などの融資条件を詰め、EU27カ国による緊急財務相理事会も開く。
EUとIMFによるユーロ導入国への金融支援はギリシャに続いて2カ国目となる。アイルランドの場合、今年5月に決めた総額7500億ユーロの緊急融資制度を初めて適用。アイルランド政府の資金繰りを支援するほか、アイルランドの銀行に公的資金を注入できる資金枠として350億ユーロ(約3兆9000億円)を設定する方向だ。
一連の会合に先立ち、EUのファンロンパイ大統領(首脳会議の常任議長)、バローゾ欧州委員長、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁、メルケル独首相、サルコジ仏大統領らが緊急に電話で協議した。
7500億ユーロの緊急融資制度は(1)EU予算を裏付けとした600億ユーロの欧州金融安定メカニズム(2)ユーロ導入各国の政府保証をつけた4400億ユーロの欧州金融安定基金(EFSF)(3)IMF融資の2500億ユーロ――が3本柱。これとは別に、非ユーロ圏の英国、スウェーデン、デンマークが2国間の融資をアイルランド向けに実施する方向で調整している。
焦点は、不動産バブル崩壊で巨額の損失を抱えるアイルランド国内の銀行再建策。アングロ・アイリッシュ銀行に続き、バンク・オブ・アイルランド、アライド・アイリッシュ銀行の上位2行も国有化されるとの観測が出ている。
アイルランドは今月24日、2014年までに総額150億ユーロの財政赤字を削減することを柱とする財政再建計画を発表しており、ユーロ圏の財務相は支援の前提として評価している。
EU、IMF、ベルルスコーニ、サルコジ、メルケル、サパテロ、アイルランド、ポルトガル、欧州連合、スペイン、ダブリン
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