【週刊知事】「子供に罪ないが…」　埼玉・上田清司知事

　「全然、共和国でない。おまけに（国名に）民主主義まで付いているのがおかしい」

　こんな皮肉が口をつくほど、北朝鮮に対する上田清司知事の視線は厳しい。同国による韓国・延（ヨン）坪（ピョン）島砲撃事件から一夜明けた２４日、定例記者会見で「一種の海賊行為に近い」と語気鋭く非難した。

　朝鮮学校の高校授業料無償化についても、「最初から極めて問題がある話」と改めて持論を展開。朝鮮学校が朝鮮総連の支配下にあり、反日教育が行われている実態を指弾した上で、「国民が拉致されている。われわれの人道はどうなる」と訴えた。

　２５日には、拉致被害者の家族会からの要望を受け、砲撃事件の全容解明まで朝鮮学校への補助金支出を留保すると表明した。「子供たちには全く罪はないが…」。国民をも顧みない独裁政権への不信感を募らせた１週間となった。