F1:サーキット建設に未練抱く自治体(下)
韓国のカーレースを主管するある企業の関係者は、「年に16週程度大会が開かれるが、この大会を太白と竜仁、霊岩に分散して開催しなければならない状況。さらに大会が増えない限り、どこか一カ所を閉鎖することになりかねない」と語った。
体育科学研究院が作成した研究報告書によると、レーシングサーキットが収支を合わせるためには、少なくとも年に25週以上レースを開かなければならない。ところが実際には、国際・国内の大会をすべて合わせても、韓国国内で20週以上レースを開催するのは難しい状況だ。
こうした環境にもかかわらず、自治体はサーキットに対する未練を捨てきれずにいる。日本などの外国とは異なり、韓国はモータースポーツを楽しむ階層が少なく、税金でサーキットを建設するのは厳しく制限されるべきだという指摘が多い。
慶尚南道昌原市がF3の国際大会を誘致し、99年8月に建設したコース長3.4キロのサーキットは、06年1月に撤去された。道費と市費など税金73億5000万ウォン(約5億3884万円)が投じられた施設を、わずか5年で取り壊したのだ。その上、撤去に7億9000万ウォン(約5792万円)を要し、これによって合計80億ウォン(約6億円)もの税金が無駄になった。現在、サーキットは一般道路として使用されているが、事実上放置状態にある。
京畿道安山市がプロモーター、建設会社と共に推し進めたコース長2.9キロのサーキットは、05年10月に進ちょく率80%内外の状態で工事が中断した。「チャンプカー」レースの誘致に失敗したためだ。建設会社が120億ウォン(約8億975万円)もの資金をつぎ込んで建てた施設のため、血税の浪費は避けられたが、市の立場からすると、敷地の賃貸料10億ウォン(約7331万円)を受け取れないという損失を被った。このサーキットは結局、07年に撤去が決定し、住宅地や研究開発複合団地として造成される予定だ。
一方、忠清南道礼山郡と京畿道利川市も、国際規模のサーキット建設を推進したが、予算確保などの問題に直面し、ひとまず計画を取り下げた。
F1特別取材チーム
李衛栽(イ・ウィジェ)記者
光州広域市=金性鉉(キム・ソンヒョン)記者
金城敏(キム・ソンミン)記者