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ウィキリークスが新たな機密文書公開か-外交への影響懸念

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 【ワシントン】オバマ政権は24日、内部告発サイト「ウィキリークス」が米国の外交機密文書を暴露する準備を進めていると議会に警告するとともに、外国政府への通知を始めたことを明らかにした。公開されれば友好国や同盟国との関係が傷つく恐れがある。 

Associated Press

「ウィキリークス」の創設者、アサンジュ氏

 文書の公開は今週末と見られているが、ウィキリークスは詳細な時期を明らかにしていない。

 当局者によると、文書には反対派の政治家や友好関係にある政治家との聞かれては困るような会話から、米国の外交官が国外追放されかねないような活動まであらゆることが含まれている可能性がある。世界中の米国の外交拠点は外国政府に対し、ウィキリークスが数日中に文書を公開する可能性があるとの通知を始めた。

 国務省のクローリー報道官(次官補)は文書の公開が「米国と関係国に害を及ぼす」と指摘し、「米国の外交官と世界中の友好国との関係に緊張をもたら す」と述べた。その上で、非公開であるべき情報の公開は外交相手としての米国の信頼を損なう公算が大きいと述べ、もし公開される文書の中に友好国のリーダーに関する軽蔑( けいべつ)的ないし批判的な発言が含まれていたならば、関係が気まずくなる可能性があると語った。

 匿名を条件に語った当局者によると、オバマ政権は文書公開が外交に与える影響がかなり大きい可能性があるとみている。多くの文書はオバマ大統領就任以降のものとみられており、これは公開された文書に対し政府が距離を置くことができないことを意味する。

 米政府当局者は、外国の政治家がその国の政府に対する率直な評価を行った会話の詳細が含まれている可能性があることに懸念を抱いている。その内容は米国だけでなく、その政治家や関係政府をも当惑させる恐れがある。

 また文書には米国の外交官がさまざまな国の反体制派勢力の指導者や人権活動家などと行った会談の詳細が含まれている可能性があり、それが公開されれば特に独裁国家では報復措置が講じられる恐れがあると当局者は話している。

 匿名を条件に語った別の当局者によると、文書は主に欧州を対象にしたものだが、アジアの多くの主要国との関係にも触れている公算が大きいという。

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