早く保守になってもらうことを切望する
本日、先人に学ぶ会 第1回 「三島由紀夫に学ぶ」だった。第1回目から、いきなり保守の本質に迫る内容だった。
一昨日私は、政治ブログランキングの右派系ほとんどのブログが、反左翼、反中反韓反朝なだけで、保守ではないと書いた。アンチ巨人という言葉があるが、アンチ巨人の人たちは、巨人が負ければ喜ぶだけの人たちを指す。それと同じだ。左翼を貶すことをもって保守になったとはいわない。保守とはアンチな思想ではない。このブログを始めてから、ずうっと、そのことばかり書いてきたが、私の説明能力が乏しいせいで、伝わらない。
で、彼らはなんなのか?「サヨク」である。昔、小林よりのりが作った言葉だが、サヨクというのは、思想的な左翼ではなく共産主義者でもなく、自分が薄められた左翼思想であることに気づかない人たちのことだ。簡単に言えばアメリカニズムってとこだ。
サヨクか保守かは、少し読めば、すぐ見分けがつく。保守のつもりの多くの人たちの無意識下でもアメリカニズムが行き渡り、洗脳支配がされている。だって皆さん特定アジアと違ってアメリカには無防備でしょう? とはいえ、私も戦後生まれである。昔から保守の系譜でありたいと切望しているのだが、往々にしてサヨクの部分もあることはある。
保守だ保守だというからには、保守とはなんなのか、私は言わねばならぬだろう。保守を説明しようとして、これまでも四苦八苦してきた。私の記事は殆どそれを現そうとしているのだが、今でも勉強中であり、未熟なのでなかなかうまく書けない。とにかく底が深いのだ。
保守だというからには、何かを守らねばならない。何を守るのか? 自称保守のサヨクが言うように、単なる「国土」や「生命財産」でないことは確かである。これを失ったら日本人で無くなるというものは何か?
それが今日の「三島由紀夫に学ぶ」でもある程度話題になったのだ。私がそこにつけたして書いてみる。
「日本の悠久の歴史の連続性の中に自分があると認識し、自分個人の命や安穏とした幸福感の達成のよりも、悠久の歴史の連続性にこそ生命尊重以上の価値を見出し、先人たちが血と汗で紡いできた歴史の中で永い時間をかけて少しずつ堆積していった伝統(国民精神)を守ろうとする態度である。」
だって日本人の頭の中身がアメリカ人と同じなら、国籍は日本だろうが、もう歴史の連続性の中にいる日本人ではない。
「保守的である」とは、その判断基準をサヨク主義お得意の個人的自由や技術的合理といった、根拠が希薄な人間理性の産物に依拠するのではなく、歴史の産物としての伝統(常識、道理)に依拠しようではないかと構えることに他ならない。
保守すべきは日本人の成立根拠となっている国民精神だ。保守思想が保守しようとするのは、実体そのものではなく、そこに保蔵されているであろう「精神の形式」の方だ。
こうしたことは何百回と書いてきたが、一部の方を除き、ほとんどの人は理解できず、アメリカナイゼーションされた脳ミソで、目にみえるモノを保守することが、あたかも保守であるかのような論旨を日がな宣っている。
それは何も保守主義じゃなくたって、頭がパープリンなオネエさんでも成人式には着物は着るだろうし、左翼のオジさんでも正月には初詣に行き、神さまにお願いぐらいはするだろう。もっと言えば、仮想敵国の核弾頭や潜水艦の数を数えたり、戦力を分析したりする専門人の書く論文をありがたがって読んでいる唯物主義者もそうだ。
さらに踏み込んで言おう。「我が国は自由と民主主義を愛するアメリカと価値観を同じにする国だ。」なんて言ってる人もそうである。私だって自由と民主主義を愛さぬではないが、もう一方で秩序の全くなき自由は愛していないし、民主主義の成れの果てである衆愚政治など愛せるもんじゃない。そして、アメリカの自由と民主主義の意味と日本の意味は違う。日本にも昔から自由と民主主義はあった。信じないと言う人は、聖徳太子の十七条の憲法をご覧あれ。
三島由紀夫は伝統を「精神の形」であると言った。恥ずかしながら本日初めて「檄文」を通読してみた次第だが、三島由紀夫もこう言ってる。
「われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。」
戦後日本は魂の空白状態である。先人の魂は浮遊し行く先をなくしている。本来であれば先人の魂は今に生きる日本人の中に入り、過去と未来をつなぐであろう。先人の栄光も挫折も民族の記憶として伝達されるだろう。
世界に名高い特攻隊は民族の記憶と、この国民精神があったから死地に赴けたのだ。日本軍があんなに強かったのもそう。しかし、今は違う。過去をなくした者は未来をも失う羽目になる。
日本再生の鍵はこの国民精神の復興である。これがなければ再生はない。ただのアンチだけでは心棒がないし、オツムがメイドインアメリカの洗脳頭では、本質とはズレたことばかり言う。こんな者たちに維新してもらうぐらいなら、できもしないだろうが、万が一、成功した暁にはエライことになる。保守の論理からいって。今のままの方が余程いいわけである。
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